迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

アニメは子供に返すべきです!!

アニメーターの賃金が低いのは、かつてアニヲタだったオイラでも想像はつく。しかし、だからといって賃金を上げて地位を向上させろという意見に対しては、残念ながら賛同できない。なぜなら、自作アニメを作って、それを放送局に売り込んだり、や“ニコ動”等で有料配信してる分には理解できるが、原作や台本が予めある作品を、期日までに仕上げて納品する事が義務づけされている大手アニメ制作会社の“小作アニメーター”がそんなセリフを吐くべきではない様な気がする。なぜなら、現在のアニメは、その殆どが深夜枠での放送であり、尚かつ内容の殆どがマニア向けである。もちろん、日曜日の朝とかにやってる子供向けのアニメもあるが、現在放送されているアニメの殆どが、地上波で再放送されるケースは皆無である。まして、著作権問題で再放送できないというなら、なおさらの話である。誰をターゲットに“商売”をやっているか…その概念を忘れて発言しているのであれば、日本のアニメをここまで昇華した先陣達に失礼というモノである。

グッズ販売にしろ、DVDソフトにしろ、その収益の殆どがアニメーターに行き渡っていないなら、まずはそれを是正するのが業界に住まうモンの務めではなかろうか。まして、現行の30分アニメは、ヘボいメロドラ1時間分を制作するよりもコストが掛かる上に、折角大口のスポンサーを取り付ける事ができても、そのCM時間を割くのに苦労するともいわれている。そのため最近では、放送業界でも安いコストで放映できるアニメが好まれ、本格的なモンは嫌われているのがオチである。(そういう意味では、昨今のMBSで放映される週末のアニメが、半年クールで放送作品が変わるのは、仕方がないのかもしれんw)
アニメ制作会社というと、オイラ世代には手塚治虫のアニメには、いくつかの制作会社がある事を知っていたが、そのうちの虫プロが経営破綻したのは有名な話である。どんなに売れっ子の漫画家といえども、その莫大な著作印税の殆どを、自作のアニメ制作につぎ込んでやっていたため、規模が大きくなるにつれて、経営が悪化した末の話だ。もちろんそれは、多くのアニメーターを雇って、テレビ用のアニメを大量生産してたための話であり、しかもその放映権を放送局に直談判しての交渉である。故に、アニメの内容によってはスポンサーなしで初回放映された作品も多く、グッズ制作もその著作権管理が杜撰だったために、多くのアニメーターを泣かせた。しかし、塔の手塚治虫本人は、良質なアニメを子供達に見せてやりたい一心で、収益を殆ど考えていなかったトコがあり、それ故に放送局の判断ひとつで再放送される事が多かったのだ。
宮崎駿高畑勲の場合も、そのスタートは、やはり子供向けのアニメである。当時は一社スポンサーでのアニメも珍しくなく、安い賃金でやっていたのではないかと推測される。しかし、より多くのスポンサーから資金を調達して、自作アニメを制作するには、テレビでは尺が小さ過ぎると判断し、後にアニメ映画の方へ移行する。その試験的なヤツが“ルパン三世カリオストロの城”であったり、“アルプスの少女ハイジ”や“未来少年コナン”であると解釈している。(で、ナウシカラピュタ等の作品に進化する訳で…)同じ路線でいえば、押井守もそうで、最初は高橋留美子の“うる星やつら”のアニメ化からで、後にOVA(オリジナルビデオアニメーションの略)作品を経て、“スカイクロラ”の様な作品を作る様になった。コレとて安い賃金での“仕事”である。
つまり、本気でアニメを文化として認めて欲しいのなら、もう一度原点に立ち返り、子供達がリクエストしてまでも見たがる様な作品を、少数精鋭で作るのがスジではなかろうか。CGが一般化し、素人でも時間と絵心があれば、フラッシュソフト等を駆使してアニメを作る時代である。それを、いつまでも“自分達はプロだから…”と言い張る根性が気に喰わない。プロだったら、スポンサーの意見で作るよりも、スポンサーが勝手につく様な作品を発表するべきである。Webアニメの“やわらか戦車”や“秘密結社鷹の爪”等がヒットした背景にも、そういった“腐ったアニメーターが作ったアニメ”に辟易した者達が、ネットで話しているうちに作り上げたと言えよう。それが話題を呼んで、ちょっとした社会現象を起こしたまでに過ぎない。同時に、それは子供達からアニメを取り上げてしまった大人の責任でもある。それに対抗したいのなら、子供向けの良質なアニメを制作する事こそが、スジじゃないだろうか。