凶悪犯罪の陰で…

ヒデボー(以下ヒ):こんばんは、ヒデボーです。
マーティ(以下テ):ども、マーティです。
ヒ:さて、マーティ先輩。今月は水曜日以外はボクらのフリートークだけで更新していこうという事ですが、今日はどうします？
テ:今回は、キミとボクだけでやれという事なんで、ちょっと最近の犯罪傾向について、キミの意見が訊きたいね。
ヒ:昨日の話の続きですか？
テ:いや、そうじゃなくって、昨日の此花区で起きた、営業中のパチンコ屋放火事件についてだよ。
ヒ:また、重いテーマで…
テ:ま、まずは“事件”の内容を、おさらいする意味も込めて、

５日午後４時１５分頃、大阪市此花区四貫島(しかんじま)１のパチンコ店「ｃｒｏｓｓニコニコ」から出火、約４００平方メートルの店内を全焼した。
　店にいた客３人と店員１人の計４人が死亡、客ら１９人が負傷し、うち５人が重傷。出火直前に店内に入ってきた３０歳前後の男が、バケツでガソリンとみられる液体を店の床にまいて火をつけて逃げたといい、大阪府警は此花署に捜査本部を設置、現住建造物等放火と殺人容疑などで男の行方を追っている。
　同店は鉄筋６階建ての雑居ビル１階。出火当時、店には客と店員の計９５人がいたほか、３階の学習塾に７人、５階の不動産関連会社に２９人がいた。負傷者１９人のうち、１人は学習塾にいた女子高生という。
　捜査関係者によると、男は、店の３か所ある出入り口のうち、南東角の出入り口から入り、直後に付近に放火した。放火される約４５分前、常連客の男が、数万円分負け、パチンコ台をたたくなどして店員に注意された後、店を出ていったのを複数の客が目撃していた。
（By:読売新聞 2009年7月6日付）

という事だが…類似の事例って、過去にいくつかあったよね？

ヒ:ﾎﾟﾘ…σ(-"-;）ｳ~ﾝ ボクの覚えてる範囲でも、神戸のテレフォンクラブ放火事件でしょ、あと、青森の消費者金融放火殺人でしょ…あ、名古屋でもガソリン撒いて直後にビルの一部が爆発したってのもあったね。
テ:新しいトコでは、難波のインターネットカフェでの放火だね。他にも歌舞伎町での雑居ビル火災…あれも痛ましい事件だったよ。
ヒ:あれ？なんか共通してる事って…
テ:お、ヒデボーでも気付いたか。
ヒ:全部雑居ビルで、しかも全部死者が出てる。
テ:う〜ん、それは古い話だと千日前デパートとかの話もあるからアレなんだけど、共通しているのが、“利用者の安全が無視された構造”ってのがポイントなんだ。
ヒ:ええーっ、全部そうなんですか？
テ:そうじゃないのもあるけど、基本的に店の構造に欠陥があるのに、それが全部地元の消防局とかの立入検査等に引っ掛かってなかったという事なんだ。もちろん、実際には引っ掛かってたのに、経営者が警告を無視したってのもあるけどね。
ヒ:でも、今回の火災だと、逃げ場が…あ、そっか。パチンコ屋は通路がギリギリの上に、店によっては輩出した玉を箱ごと詰んだままで放置してるんだっけ。
テ:そう、一応、非常出口があるのはあるけど、そこに行くまでに障害が多すぎるんだ。しかも、その“脱出路”の一部に火を放たれているから、事実上、使える脱出路が塞がれて、犠牲者が出てるんだ。
ヒ:ん、そういや昔、近鉄生駒線でもトンネル火災で類似の現象が…
テ:そこなんだよ。本来なら“脱出路”として使えるハズの部分が、煙で視界が悪い上に燃えている状態だったから、脱出できずに殆どが窒息したんだ。今回なくなった方の場合はどうだったかは、捜査が進むにつれてわかってくるだろうけど、火傷を負ってないなら、おそらく一酸化炭素か他の有毒ガスによるモノだと思うよ。
ヒ:違法建築…とまではいかなくても、店舗の構造上や内装に使われている素材によっては、大惨事になるという事っすね。
テ:それだけじゃない。たとえどんなに地元の消防署から“安全”と認められてても、実際の被害が出ない事には、わからない事も多いよ。しかも、その“弱点”を犯罪に使われた場合、犯人に関わりのない無実の人々が、無惨な姿になってしまうんだ。今回のケースも、難波の件でも、それが“引き金”になって、多くの犠牲者がではのは事実だし、歌舞伎町での件でもそうだが、旧来の建築基準法でクリアしてるからといって、そのまま放置したツケが大惨事を招く事もある。こういう事件は、犯人が悪いのは当然だけど、多くの犠牲者を生んだ原因は、犯人一人だけじゃないってことさ。
ヒ:それって、今の政治や経済でも言えるのでは？
テ:ま、ぶっちゃけた話、そうなんだけど…それは、次回以降にやろう。
ヒ:コレでまた、土建屋やレジャー業界が世間からイビられるのかなぁ…。