迷馬の隠れ家 はてな本館

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再考:なぜ、“つまらない内容”のTV番組が増えたのか?

3年前に、同じ事をやっていたんだが、改めて考えてみる。特に地上波のTV番組がつまらないのは、制作コストの割に内容がスカスカな番組が多過ぎるからである。なんでそうなるかと言えば、ズバリ、“人材不足”と“生活習慣からの乖離”である。実はコレ、政治でも同じ話なんだが、現場の人間に任せているクセに、専門知識もないクセに手柄になりそうな事例にはしゃしゃり出て横取りする傾向が顕著過ぎるからであり、自分の“失態”であるにも拘らず、それを周囲のスタッフに擦り付ける…コレが“政治不信”を生み出す原因だとわかっていても、“自分がカワイイ”モンだから、それを繰り返す。つまり、その繰り返しの末に、世間と自分の地位が乖離している事に気付かなくなるのだ。

TVの世界でも同じで、世間の景気動向や思想の変化に鈍感になり、既に“当たり前”が通用しない事に気付かなくなっているのである。もちろん、その裏にはBS・CS放送への移行を目論んでやっているという部分もあるのだろうが、重要なのは、リアルタイムの感情である。地上波の利点でもあるこの部分が、何故か“しらこい”感じになっている。まして、時代のムーブメントを、いかにも“自分達が作り上げた”と奢れているから、視聴者自身も“何様やねん”となるのである。
TVの黎明期の頃、コンテンツの脆弱さもあったから、一社スポンサーの番組も多かった。そして、番組の内容に商品名を忍ばせるのは、ある意味“お約束”的な部分があった。有名なトコだと、“アップダウンクイズ”のゴンドラ上部にスポンサーであるロート製薬の商品(特に目薬)の名称が堂々と掲げられていた。あと、近鉄がスポンサーだった“真珠の小箱”は、モロに近鉄沿線の史跡・遺構の紹介だった。(コレの進化したのが“歴史街道”だったりする訳だがw)また、ドラマでも“部長刑事”シリーズの場合、スポンサーこそ大阪ガスだが、ドラマの脚本に関しては、大阪府警の全面協力の下で構成されていた。この3つの番組に共通してる事は、いずれも黎明期から基本的スタンスを変えずに放送し続けた“長寿番組”である事だ。また、ムダな演出を極力抑え、シンプルでわかりやすい内容で纏めていた事である。現在でも放送されている“おはよう朝日です”でも、基本スタンスは“朝の番組”としての情報量を、なるべくコンパクトに纏めて放送してるから長続きするのであって、他の全国ネット番組の様な内容にしてしまえば、却って短命になっていたであろう。
素人名人会”も、初期の頃はまさしく様々な“素人の隠し芸”の披露という意味合いがあって、そこからプロの芸人になった人も多い。(有名な話では、オール阪神巨人も、実はコレがきっかけで、吉本入りした)しかし、晩年はカラオケ大会の意味合いが多くなり、それが視聴率低下を招いた。審査するプロの芸人も、辛口のアドバイスを出せる人がいなくなった事が大きいだろう。また、“スター誕生”でもそうだったが、芸能事務所が番組を通じてタレントの卵を発掘するという概念から、自前で育成したタレントの“度胸試し”に使う様になった事が、視聴者の興味を削いだ。“アメリカ横断ウルトラクイズ”も、クイズヲタクの巣窟とならない様に、敢えて“体力勝負”なクイズにしてたからこそウケたのであって、全国の大学サークルで傾向と対策が練られる様になると、その意味合いが薄れてきたのはいうまでもない。(とはいえ、実際はそのウラを掛かれて“全滅”する訳だがw)“鳥人間コンテスト”でも、本来は手作り飛行機の“ユニークさ”と“機能美”を競うモンだったのが、いつの間にか“素人お断り”的な内容になっていったのはいうまでもない。(特に、人力プロペラ機で500m以上の飛行が当たり前になって以降は。)もちろん、それでも見ていて面白いからファンもいる訳であり、そこらへんは高校野球と同じだ。しかし、肝心なのは“誰でも参加できる”という視聴者参加型番組の“鉄則”から外れてはいけないのであって、その“鉄則”を頑に守っている“探偵!ナイトスクープ”が(特に関西で)バカウケする訳である。つまり、“みんなで作ってる”という感覚こそ、本来のTVの“楽しさ”なのだと思う。
とはいえ、昨今の“ラジオ感覚なTV番組”は、勘違いから生まれた徒花な様な気がする。なぜなら、TVは映像があるからこそムダは喋りは必要ないのだが、その“間合い”を読めないタレントやコメンテーターが多いのが気になる。はじめからラジオで経験を積んでいる人程、そういった“空気”を読む技量があるんだが、TVだけでメジャーになった人程ラジオでも“喋り過ぎ”になる。聞いてるモンにとって、どうでもいい話を延々やり続けるバカは、それが原因で人気が落ちているのに気付かない。だから、常に世間とリンクした感覚を失ってはいけない。今のTVは…否、すべてのマスコミは、その感覚が完全に欠落しているのだ。