迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

ミッドナイトダイナー“FLAT RIVER” 第四夜

マーグ(以下グ):ふぅ…まったく、未来を見出せないって、どういう事だよ。これもまた、他力本願のツケって奴かな…大体、自分の願いを実現する為には、それ相応の対価が必要だってのを、みんな知らなさ過ぎだぜ。マスターが信仰している宗教の哲学に、“法華経の行者は冬のごとし冬は必ず春となる、いまだ昔よりきかず・みず冬が秋とかへる事を…”なんて言葉があるんだが、要するに、どんな苦難も、必ず報われる時が来ると確信を持てってことだ。逆を言えば、そういう確信が持てないから不安になって、それが不幸のスパイラルを生むって事だ。今の日本は、まさにそんな状況。でも、必ずその苦労は、何らかのカタチで報われるんだ。
ガラガラ…
っと、誰か来たな…いらっしゃい!
ノブ(以下ノ):まーいど、今日も寒いなぁ。こんな日は、熱燗とおでんが一番やて。
グ:なんだ、ノブさんか…ま、いいや。燗酒はアルコールが飛ぶぐらいのが良いんかい?
ノ:アホ言え、人肌よりちょい熱めがエエんや。吟醸酒みたいな冷やで飲む様なんやったらアカンで、純米酒でも、燗で飲むのに適したのってのがあるさかい、それでやってや。
グ:で、ノブさんオススメの銘柄は?
ノ:ほな、酔って候純米土佐鶴でw
グ:このトラキチが!!
ノ:悪いけど、ボクは元々阪急ファンやでw

グ:ちなみに、おでんはオレの出身地、静岡流儀のヤツなんだが、どれを食べる?
ノ:う〜ん、そやな…その黒いのなんや?
グ:ああ、コレ?“黒はんぺん”ってヤツだよ。原材料はサバやイワシ。関東のおでんの定番である白いはんぺんと違って、魚を丸ごと潰して作るから、どっちかといえばつくねや薩摩揚げに近いな。コレがないと、“焼津おでん”っていうのにならねぇな。
ノ:ほう、面白そうな具材やな。
グ:他にも、“フワ”っていって、牛の肺を入れている店もあるぜ。今回は、新鮮なのが手に入らなかったから除外したが…あと、静岡・焼津共に、具材ひとつひとつに串が刺さってるのが特徴で、喰う時にも粉鰹と青のりがトッピングで付くんだ。
ノ:大阪やったら、そこは“コロ”やろな。
グ:ああ、クジラの皮脂身だろ。
ノ:今でこそ、反捕鯨国の圧力に屈して、なかなか手に入らへんけど、関西…特に大阪の“関東煮”いうのは、必ずといってエエくらい、この“コロ”ってのが入ってたなぁ。今のおでんでもエエんやけど、やっぱ“コロ”から出たダシで炊く“関東煮”やないと、食べた気にならへん。
グ:確かに、アレはアレで旨いよな。
ノ:こう考えても、ひとくちに“おでん”いうたかて、その地方によって、具材も味も違てくるわな。同じ関西いうても、播州・姫路やと生姜醤油をつけるやろ。
グ:名古屋だと、やっぱ味噌おでんだもんな。確か、青森でも味噌だった様な…
ノ:東京やと、必ず白はんぺんが定番やし…
グ:確かに、おでんは奥が深いぜ。
ノ:あ、さっきの黒はんぺん、おかわりw
グ:ちょ…ハマり過ぎだぜw