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マーティの真面目にプライオリティー 2010年3月号(救急医療、正しく活用を。献血編)


ども、マーティです。今月は、更新が一週間遅れました。m(_ _)m
さて、今月のテーマですが、救急医療…特に災害時における緊急手術等で必要となる、“輸血用血液”に関するお話です。(ま、ボクの“生前さん”も、癌摘出に伴う臓器摘出手術を受けた際に、お世話になりましたが…)今回は日本赤十字社 血液事業のWebを参考に、解説させていただきます。
そもそも、輸血用血液は、1952年(昭和27年)4月に、現在の日本赤十字社医療センター日本赤十字社血液銀行東京事業所が開設される以前は、民間の血液銀行による“売血”で賄われていました。しかし、金銭目当てで何度も血液を売る、いわゆる“黄色い血液”(肝臓疾患で胆汁が混じった血液)が出回り、それによる輸血後肝炎(その殆どが、B型・C型肝炎)を引き起こすケースが、後を絶たなかったのです。

特に1964年、当時のライシャワー駐日アメリカ大使への傷害事件で、一命を撮り止めたライシャワー大使が“黄色い血液”による輸血後肝炎を発症した事を受け、当時の行政が、輸血用血液は献血によって賄うべきであるとし、これを閣議決定したのです。そして、2002年に、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(通称:血液新法)が公布・施行される事によって、厚生労働省が管理する下で、日本赤十字社がそれを担っているという事です。
大まかに、献血方法は2種類あって、一般的に知られている“全血献血”と、血液の主成分である血漿や止血の際に必要な血小板だけを抽出する“成分献血”があります。どちらも、献血の際にはウィルス感染(特にHIVとB・C型肝炎)の有無や当日の健康状態…特に降圧剤や糖尿病のインスリン使用の有無等を調べた上で、初めて行われるのです。また、万が一ウィルス等による“汚染血液”が出回った場合や、輸血による副作用(拒絶反応等)が発症した場合に調査できる様、ルックバック(遡及調査)用に、献血用の注射針を刺した時に出る最初の血液25mlを、検査・調査用に11年間保管しているそうです。
全血献血の場合、200mlだと16歳から、400mlは18歳から69歳までの人であれば、献血する事ができます。また、成分献血の場合、18歳以上で血漿は69歳まで、血小板はその成分上54歳まで可能です。但し、体重が男性は45kg以上、女性は40kg以上でなければ献血は参加する事ができません。また、400mlは男女共に50kg以上でないと断られます。更に、全血献血の場合、年間で男性は1,200ml、女性は800mlまでしかできません。また、1回の献血後、約2ヶ月(400mlの場合)の間隔を空けなければ、次の献血ができません。成分献血の場合、献血後2週間で次の献血が可能で、血小板のみの献血は翌週からでも献血可能ですが、4週連続でやった場合は、次の献血まで1ヶ月間隔を空ける必要性があります。
献血で得た血液は検査後、更に安全性を高める為に、保存前に拒絶反応の原因になる白血球を除去した上で、尚かつ放射線(ガンマ線)照射を行って、残存するリンパ球の機能を完全に不活性した状態で製品化します。そして、成分によって冷蔵・冷凍保存され、医療機関から必要に応じて供給されます。
また、一部の血液(特に血漿)は製薬会社へ供給され、そこから血液製剤(アルブミン製剤等)が作られます。ただ、今でも海外の売血から血液製剤を作っている事があり、それが原因で、“薬害エイズ”や“薬害B型肝炎”等が問題となっています。そのため、法律で規制を掛けて、できるだけ安全な血液製剤の供給を進めているのです。ですが、いくら検査キットの性能が良くなっても、ウィンドウ・ピリオド(ウィルス感染が、検査で判定できない期間)があり、それ故に、検査の網をくぐり抜けた感染血(HIVやウィルス性肝炎等)が出回ってしまう危険せいもあるのです。そのためにも、献血を行う意義を知った上で、安易な“検査目的”での献血は、おやめください。
今月は以上です。なお、詳しい事は、上記の日本赤十字社ホームページの“献血をしたい”のコーナーで解説が載っております。そちらの方をご参照ください。では。お相手は、マーティでした。