迷馬の隠れ家 はてな本館

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マーティの真面目にプライオリティー 2010年6月号(路面電車とエコの話)


ども、マーティです。さて今月は、先日マーグ達と行ってきた“路面電車まつり”で感じたことを、ボクなりに書かせてもらいます。(イベントの内容などは、今週末の“お出かけジョッキー”でマーグ達が報告するので、ここでは割愛します。)
最近、路面電車の魅力が再認識されるようになり、富山市内ではLRTの新路線が去年12月より開通し、利用客が増えているそうです。“LRT”とは、主にヨーロッパで導入されている近郊型路面電車で、その殆どが低床ノンステップ車両で、座席数は少ないものの、通路を広々にすることで、車いす(シニアカー含む)での乗降もスムーズで、自転車もそのまま積み込んで移動することも可能なので、レンタサイクルと併用することで、クルマでは行きにくい場所への往来がしやすくなるという利点があります。

しかし、堺市では“エコ観光”を呼びかけておきながら、実はLRT導入に際する初期投資はできないとし、これを受けて堺市内に路線を持つ阪堺電気軌道と、親会社である南海電鉄では、今年の秋に我孫子道浜寺駅前の路線存廃の結論を出すということです。おそらく、このままで行けば堺市内から“チンチン電車”の勇姿を見ることができなくなるのも、時間の問題です。ではなぜ、堺市は導入を断念することにしたのでしょうか?
大きな要因は、去年の市長選でLRT導入反対派の市長が当選したことともいわれますが、むしろ、将来性よりも、現状の財政難が大きなネックになっているモノと思われます。しかし、いくら財政を黒字化したとしても、将来的に累計赤字が増えるのは必至であり、高齢化が進み、なおかつ、路線バスが走る道路事情を考えると、この考えは有益とは思えません。なぜなら、確かに初期投資の負担は大きいでしょうが、回収出来る見込みのある公共交通機関のインフラ整備を、“コストがかかる”という理由だけで白紙に戻すこと自体、将来的な高齢化社会における様々な問題を考えていないのと同じです。まして、クルマ社会から脱却を推進しているのであれば、むしろ不用意に路線バスを走らせる方が効率が悪いです。さらに、マイカーによる違法駐車が後を絶たない道路事情では、いくら観光サイクリングロードを整備したとしても、安全に目的地まで回れるかという確証はありません。当然ですが、それは、緊急車両の通行の妨げでもあり、そして、街の景観を損ねる原因にもなっています。
古い町並みの景観を活かした観光名所には、周辺住民の理解と協力、そして何より“地域愛”が不可欠です。倉敷や川越といった、江戸時代の風情を残した景観保全地域では、そういった努力の下で、観光ビジネスが成功している例であり、また、路面電車が走る広島や長崎では、むしろ最新鋭のLRTをどんどん投入し、利用客向上に努めています。先程の富山でも、環境問題に取り組む一環として、富山ライトレールの2社が、それぞれの役割を果たす格好で存続しています。いくら、クルマの方が機動力と利便性がいいといっても、道路事情や病理的な理由等で運転ができない、あるいは燃料が高騰してしまえば、結局無意味です。本当の意味での“交通弱者”に対して思いやりのある地域になるには、地元住民の意識改革はもとより、こういった交通インフラの見直しも必要なのではないでしょうか?

今月は、ボクの取り扱い範囲とはかけ離れた内容になってしまいましたね。でも、福祉や介護を考える上でも、公共交通網の整備は、地域活性の起爆剤だと、ボクは思ってます。それでは、また来月、お会いしましょう。お相手はボク,マーティでした。