迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

オグリと三人の馬主(オーナー)

昨日の続きなのだが、今回は三人のオーナーにまつわる話をば。オグリンの“オグリ”とは、小栗孝一さんが所有する競走馬に付けられる“冠称”であり、笠松競馬場では、よく見かける事が多かった名称である。それもそのハズ、元々小栗オーナー自身は、笠松競馬の馬主協会に登録がある馬主であって、オグリンが金銭トレードで中央転厩するまで、中央競馬馬主資格を所有しなかった。というのも、本人自身が馬に関してあんまり欲を出す様な方ではなかった事と、当時あった鷲見(すみ)厩舎では、その殆どの所有馬を預けていた程の“地元の名物馬主”だったからだ。しかし、オグリンの件で“自分の馬なのに馬主として応援できない”ことの歯がゆさに、後に中央の馬主資格を取得し、オグリローマン牝馬クラシックの晴れ舞台へ“自前の馬”で参加する事になる。

金銭トレードでオグリンを小栗オーナーから譲渡してもらったのが、当時のアバンティーの社長で、とにかく1983年に中央の馬主資格を持ってから“即戦力”の馬を、それこそカネにモノをいわせるかの如く“自分のモノ”にしていった訳だが、オグリンに手を出した途端に“天罰”が下る事になる。そう、グッズ販売と競馬で(馬主として)稼いだ収益の申告を、名古屋の税務署へ報告しなかった…つまり脱税した訳である。この結果、たった5年で馬主資格が抹消(競馬法により、何らかの不正を行って逮捕された場合、その時点で馬主資格は抹消される)となり、折角手に入れたオグリンを、手放す事になる。で、その所有権と勝負服…“青・黄山菱形・赤袖”は、年間リース契約で、近藤俊典氏に変更となった訳である。以後、近藤オーナーの所有馬は、オグリンと同じ勝負服が使われる様になり、有名どころ…と言ってはマニアックかもしれんが、中山大障害で一花咲かせたゴッドスピードが、同じ勝負服だった訳である。
で、ここでもう一度、小栗オーナーの話に戻る訳だが、実は、小栗オーナーの勝負服は、近藤オーナーの勝負服の一部…袖の部分を“桃袖・赤一本輪”に変更しているだけのモノなのだ。つまり、オグリンと同じ勝負服だと、中央の馬主服(地方競馬では騎手が勝負服をデザインできるが、中央競馬では、馬主がデザインを決める)の登録ができないから、敢えて袖の部分だけ変更して登録してる訳である。よって、同じ“オグリ”冠がある馬でも、オグリンと他の馬では意味が違う。