迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

ノブさんのおせーてKEIBA博士 (どうして2つの組織があるの?)



まいど、ノブさんやで。今月はシンと離れて、フリートーク以外では、ボクの出番は“おせーて”だけやねん。まぁ…それはそれでエエねんけどな。
ほな今回は、中央競馬地方競馬の違いを、歴史的な部分も含めて解説するで。日本の場合、競馬を主催する組織は、競馬法に基づいて、農林水産省の外郭組織であるJRA日本中央競馬会と、各都道府県および市町村の運営する、地方競馬とに分かれるんや。で、その連絡協議会的な組織が、NAR地方競馬全国協会ってトコやねん。同じ様に競馬をやってるんやけど、その歴史は、全く別のモノやねん。

というのも、JRAの場合は、その起源が明治時代ぐらいまで遡って、西洋文化のひとつとしてもたらされたのに対して、地方競馬は運営組織こそ違えども、元々は上賀茂神社とその分社で行われている“競馬(くらべうま)神事”が基本やねん。
つまり、ギャンブルとしての競馬そのものは、英国発祥のモンやねんけど、神事やスポーツとしての競馬は、馬を飼っている国や地域があるところには、必ずあった事を意味してるんや。今でも、5月頃に行われる葵祭の際には、上賀茂神社下鴨神社で、神事として競馬は行われているし、ついこないだ福島県の相馬地方でやってた相馬野馬追でも、“甲冑競馬”というのが行われているんや。
ほいで、コレがなんで地方競馬と結びつくんやといえば、さっきでて来た競馬法がヒントになるんや。というのも、競馬を含めた公営ギャンブルは、本来ならば刑法に定めるところの“違法賭博”に該当してまうねん。そやけど、それを言い出したら、戦後の復興事業の資金が賄えないっちゅう事で、国と自治体が“胴元”になる事を条件に、投票券の発売が事実上、可能になったっちゅう訳やねん。つまり、中央競馬の場合は、直接やないけど国が、地方競馬は開催したい自治体が、各々管理する事を条件として開催してる訳やねん。
そやさかい、地方競馬の廃止が相次いでいる理由が、本来の目的である“税収の補填”の意味合いが薄れ、むしろ財政の足を引っ張っている“原因”とみなされてもうてるからやねん。これは何も、他の公営ギャンブルでも同じ事やねん。実際、高知県福山市でも、自分トコが保有する競馬場での売上が全然見込めない上に、その損失を税金で支払っている様なモンやさかい、“とっとと廃止してしまえ”って意見が、各々の地方議会で取り上げられとんねん。
そやけど、中央競馬の競馬場は、その殆どがJRAが土地を購入して運営してるのに対し、地方競馬の殆どは、地元の該当する地主から、土地を借りているという“建前”があって、コレが為に存廃の是非が出る度に、裁判沙汰になる事もあるんや。もちろん、JRAかて、自前の競馬場がある反面、地方競馬の運営組織から借り受けている競馬場もあるんや。北海道にある札幌と函館の2場は、実際はホッカイドウ競馬(道営)の“所有物”やし、中京競馬場も、本来は名古屋競馬の“サブコース”扱いやし、新潟競馬場に関していえば、本来なら新潟県が管理していた競馬場やねん。(昔は、県主催の競馬をやってたんや。)そやから、JRAかて、各々の競馬場を所有する自治体に、レンタル料を払った上で、開催しとるんや。
言ってみれば、地方競馬が廃止されるって事は、少なからずともJRAかて“無傷”では済まされへん事態やってことやねん。そやさかい、今は双方が“持ちつ凭れず”な関係にある訳やねん。そやから、地方交流競走で、特に交流重賞に指定されたレースは、JRAからも賞金が出てるんや。そやけど…地方競馬のエース級がJRAからの遠征馬に勝たれへんかったら、あんまり意味ないと思うねん。それこそ、オグリキャップコスモバルクやないけど、“地方出身で中央を蹴散らす”様な馬が、施設が整った南関東外厩制度を取り入れてやっている道営以外で出現せぇへんかったら、そら競馬ファンかて、シラけてまうわな。

ほな、今回はこの辺で…また来週な。ノシ