迷馬の隠れ家 はてな本館

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ノブさんのおせーてKEIBA博士 2010年8月21日号(芝vsダート)



ノブ(以下ノ):まいど、ノブさんやで。今週も、“おせーて”に付き合うてや。
ほな、早速本題に入るで。今週は、“なんで日本の競馬には、芝とダートのコースがあるか?”って事を、ボクがわかる範囲で…

シン(以下シ):ちょっと待った!! 世界に目を向けると、他の素材を使ってる競馬場もあるんですよ。そこんトコも解説してくださいよ。
ノ:あのなぁ…ボクとキミとだと、情報そのものの“鮮度”が違うやんか。
シ:あら、そうでしたっけ?

ノ:気を取り直して…とりあえず、中央競馬のに関してって事で話を進めるで。JRAの競馬場には、芝とダート、ほんで、一部の競馬場では障害用のコースが設置されとんねん。障害に関しては来週にでもやるけど、平場…つまり、通常のレース用馬場ってのは、外側が芝で、内側がダートって作りになってるねん。
シ:ちなみに、ダートが主体のアメリカでは、内側が芝で外側がダートってコース構造になっているところもあります。
ノ:元々、中央競馬は欧州…特にイギリスの競馬場を模範にしてて、芝生のコースが主体になる様に設置されとるのが特徴やねん。そやから、長年、ダート適性馬にとって、平成になるまでは、不遇の時代が続いとったんや。もちろん、それは、ダートが主体の地方競馬所属馬にとって、相当なハンデなんはハンデなんやけど、中には、芝適性があるのに、ダート路線を転々とする地方馬もいたんや。
シ:もちろん、中央転厩後に芝で活躍する馬もいますよ。もちろん、ハイセイコーオグリキャップは、まさにそういった最強伝説を作った転厩馬ですが…
ノ:そやけど、昔の芝生は、日本にはイネ科の野芝(匍匐茎があり、地を這う様にして育つ品種)しかなかったさかい、冬場にはダートコース以上に枯れ草色を通り超えて、砂地みたいな見た目になりよったんや。しかも匍匐茎が切れてまうと、再生に時間が掛かりよるさかい、開催期間が終わると、すぐさま張り替えと育成に時間を割かなアカンかってん。そこで、通年で芝コースでの競馬をやる為に、最近ではムギ科の洋芝(ブルーライやチモシーの類)を野芝の上から種まきして育成する、オーバーシード方式が執られる様になってん。
シ:ちなみに、通常の野芝は、東北より北では生育しない為、札幌と函館の芝コースは、全て洋芝で整備されていて、逆に新潟競馬場では、開催が夏場に集中する事もあって、野芝のみで整備されています。そのため、雪解けの時期には、他の競馬場では行えない“野焼き”を行って、コース上の消毒殺菌を行うのだそうです。
ノ:一方、ダートの方なんやけど、そもそも、アメリカみたいに粘土質の土を無理矢理砕かなくても、河川や浜辺から、粒子の細かい砂を運び込んで、一定の厚さ…コースにもよるんやけど、およそ5cm程に整備しているのが主流やね。そやから、水分含有量が少ない良馬場だと、クッション性がよくなる代わりに、メチャクチャ足下が沈んでまいよるねん。そやけど、水が浮く程の不良馬場の時は、逆に馬場が締まってくるさかい、余程やない限りスピード決着になり易いねん。
シ:その分、水はけが悪い競馬場では、折角のクッション砂が雨水とともに流れてしまい、排水溝を詰まらせる事もあるんです。
ノ:そやけど、芝生みたいに育成の為に、肥料や水やりが必要で、時と場合によっては、農薬を散布せなアカン訳やないから、手入れがラクで、安易に整備できるんが、ダートコースの強味やね。
シ:そのため…という訳じゃないのでしょうが、地方競馬の殆どの競馬場は、ダートコースのみの構造になってます。
ノ:もちろん、冬場でもレースができるのが、ダートコースの利点やね。
シ:とはいえ、冬場の開催は…最近でこそ、そういう事は少なくなりましたが、コース上の水分が凍結して、開催できない事もあるのですが…
ノ:そやから、今でこそ通年で芝のレースはできるんやけど、手入れが大変やさかい、冬場はダートのレースが多く、逆に夏場は、余程でない限り傷みにくい事もあって芝でのレースが増えるんや。
シ:最近でこそ、タペタ等の人工素材によるオールウェザーコースや、木片にワックスをしみこませたウッドチップの馬場もありますが、一番天候に左右されにくいのは、皮肉な事に、日本のダートコースの構造だったりするのです。
ノ:どちらにしても、より安全なレース展開を生み出す為に、創意工夫をこらしたからこそ、今日の競馬はあるって事やねん。

ほな、今週はここまで。また来週ノシ