深夜食堂“FLAT RIVER"2012 〜3日目〜

マーグ(以下グ):広島の刑務所から、殺人犯が脱走したって？
ホクティ(以下ホ):なんでも、塀の工事で足場を組んでいた事や、工事の加減で警報装置をオフにしてた事が、こういう事態を招いたって事だそうです。
グ:しかも中国人…厄介な話だな。
ホ:過去の脱獄において、そのすべては数日以内に身柄を確保、収監しているとの事ですが…管理体制の甘さは、弁解の余地がないですよ。
グ:とはいえ、相当用意周到だった様なだ、ニュースの内容では。
ホ:地下組織が暗躍している様ですから、おそらく、工事関係者の中に、そのへんの情報通がいたのでは？
グ:考えられるけど、そこんトコを疑い出すと、すべての公共事業を、民間業者に任せる事ができなくなる。
ホ:…それもそうですね。

グ:っと、いらっしゃい。
ホ:ようこそ。
ノブ(以下ノ):マーグ、まいど…って、隣は誰やねん？
ホ:お初にお目にかかります、ホクティと申します。
ノ:う〜ん…どっかで見た事あるんやけど、イマイチわからんわw
グ:そんなこたぁ、この際気にすんなってw
ノ:そやな…後で考えるわ。ところで、今日は何がオススメかいな？
ホ:今日は日本中が記録的な寒さに見舞われていますから、アツアツをいただく一品でもいかがでしょう？
ノ:そやな…ほな、牛乳・乳製品でいこか？
グ:クリーム系か…なら、定番のチキンポッドパイだな。鶏ムネ肉を使ったクリームシチューをマグカップに入れて…っとその前に、茹でたショートパスタをカップの底に仕込んで、シチューを7分目まで入れたら、上にパイ生地…今回は手軽に作れる練り込み方式のヤツを上に被せて、200℃のオーブンで焼き色が付くまでしっかり焼けば出来上がりだ。市販のパイ生地でのいいが、作り方を覚えれば、手軽にパイは焼けるんだぜ。ついでだから、練り込み式のパイ生地の作り方を…強力粉と薄力粉を1:1で合わせ、粉の合計より2割程度多いバターを細かく粒状になるまで、粉と一緒に練り込む。そのあと冷水を加減しながら加えて、まだポロポロの状態で生地を軽く纏め、30分程冷蔵庫で休めたら、何回か麺棒で伸ばしては畳む作業をすれば、すぐに出来上がる。折り込み方式と違って、パイの層はランダムになるが、家庭で作るなら、コレの方が失敗はないぜ。
ホ:折り込み式の場合、一度バターを生地と同じ硬さにまで練り伸ばして、合わせなければいけないが、その分、焼き上がりに美しい層を成し、独特の食感になる。製菓用で使う分には、むしろ折り込み方式の方が、仕上がりが綺麗ですね。
ノ:ほう、確かに、パイには違いないんやろうけど、練りパイは膨らみ方が中途半端やねんなぁ。
グ:あくまで、手軽にパイを作る時のやり方だし、練る方が折り込むよりもバターの使用量が少なくて済むんだよ。
ホ:では、私の方は…小松菜とベーコン、ニンジン、タマネギ、ブロッコリーを適当に切って、軽く炒めてからコンソメスープで煮込み、最後に牛乳を加えて…冬野菜のミルクスープ。シチューよりもあっさりした方がいいという人向けです。
ノ:それやったら、クラムチャウダーでもエエんやないか？
ホ:あいにく、材料を切らしてまして…
グ:いや、なに…マスターんトコの家族が、魚介類が若干、苦手らしいんだよ。作れなくはないんだけど、食べ残したら、もったいないだろ？
ノ:…そういう裏事情は、先に言うてぇなw