迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

あれから17年…阪神大震災 〜Shin's Bar 臨時営業中〜

シン(以下シ):こんばんは…あれから17年経ったんですね。俺は当時、東灘区に住んでいて、被災しました。連絡を取ろうにも電話回線が寸断され、先輩達に無事の報告を入れるのが遅れ、本当に心配を掛けました。
マーティ(以下テ):ども…そうですか。あれから17年…ボク自身は既にマスターの傍にいたんで、マスター経由での経験…という事になりますが、大阪でも結構酷い揺れを感じました。
ノブ(以下ノ):まいど…ボクも大阪に住んどったんやけど、ホンマにあれほど酷いモンはなかったで。そやけど…去年の東日本大震災の様子を見て、規模は違えど改めて地震の恐怖を憶えたなぁ…。
チルト(以下筑):こんばんは。今年は特に、東日本大震災があった事を受け、その被災地でも同様の追悼集会が行われました。
マーグ(以下グ):つう訳で、今日はシンのトコで震災を考えるテーマトークをやる事になっちまった訳だが…今年もチルトが参加かよ。
筑:悪いか?
シ:いや、それは別に構いませんが…むしろマーグさん、本来ならマーグさんの担当区分ですし、そっちでやられた方が…
グ:いやな…あのバカ馬が、店潰した様なモンだからよう、こういう話は、仮設店舗でやるよりも、じっくり腰を据えたトコでやった方がいいじゃん。
テ:それに、キミは実際の被災者…ノブさんもそうだけど、一番被害の大きかったところに住んでいたのは、キミだけだからね。
ノ:そやで…しかし、今の若いモンにとっては、神戸<東北やからなぁ…ボクらがちゃんと、あの震災を語っていかへんかったら、それこそ、教科書から消えてまうかもしれへん“事実”や。
筑:その通り。我々にできる事は、あの日…1995年1月17日を後世にまで語り継ぎ、そして、2011年3月11日の出来事を教訓にせねばならない。その為にも、改めて阪神・淡路大震災の事を、もう一度、語っていこうではないか。
シ:そうですね…

テ:で、17年であそこまで立ち直ったといえど、まだまだ問題が山積してるんだって?
シ:ええ…これは、今後、東北や長野の被災地に言えた部分でもあるのですが、いわゆる“震災復興住宅”に住んでいる方の住み替えや、住宅の耐震診断が遅々として進んでいない事でしょう。
筑:そもそも、仮設住宅の解消と、街の再開発に伴う住宅の確保がメインで行った計画であり、その殆どが民間のマンションや公団(UR賃貸)から、20年という借用条件で自治体が借り上げた物件であるがため、4年後にはすべて返却されてしまう事になる。その為、財政的に余裕がある、あるいは、同居家族からの支援で自立できる方はなんとかなるにしても、震災当初から独り身の高齢者にとっては、途方もない死活問題と言って過言ではない話だ。
グ:つまり…仮設住宅を出て、折角生活基盤となる住宅があっても、その使用期限が迫っているって事か。
ノ:それだけやおまへん。高齢者の殆どは、年金だけで生活してはる人の方が多いんや。そやさかい、今更賃貸住宅を借りとうても、審査で落されるのが目に見てとるさかい、大変なんや。
シ:それと、1981年以降の建築基準法に基づいた耐震・免震性のある住宅なら問題ないのですが、あの震災後に残った建物の中には、それ以前の基準に満たない建物も多いんです。そのため、兵庫県と神戸市では現在、無償で建物の耐震診断を行っていますが、これがなかなか進まないのだそうです。
筑:耐震補強の為の改築費とかも、自治体が助成を出しているのだな?
シ:はい。神戸市では、110万円を上限に、補強費用を助成しています。詳しい事は神戸すまいるネットにお問い合わせください。
テ:ようするに、神戸は今も“震災復興”という課題を抱えたまま…という訳だね。
シ:その通りです。そして、もうひとつ…
筑:支援だけじゃなくて“受援”の体勢作りをやっていこうという話…だな。
シ:その通りです。阪神大震災の時もそうでしたが、支援物資が全国から寄せられて来ても、それをどの様に分配、支給するか、また、現在不足している物資は何か…といった情報の統制が取れず、ボランティア活動にも支障をきたしました。そこで、被災現場での状況把握や支援実態を行い、またそれに合わせた支援の受け入れ態勢を迅速に行う行政機能の整備が課題になっているのです。兵庫県では全国の自治体、そして国に、阪神・淡路大震災での教訓を活かす支援と“受援”の基本的な考えを呼びかけています。
グ:つまり、支援物資やボランティアが現地に来ても、その“受け皿”自身が支離滅裂じゃ、なんにもならない…って事か。
シ:その通りです。
筑:確かに、去年の東日本大震災でもそうだったが、東北三県でも、特に福島県原発事故の影響もあって、救援が遅れた事もあり、また、長野北部の栄村に関して言えば、情報そのものが関東や東北に集中した影響で、救援はおろか、生活道路が寸断されて孤立していた事すら、全国の視聴者は気付かなかった…マスコミがあまりにも首都圏ばかりに気を取られ過ぎた弊害でもあるが、自治体もまた、その情報提示が遅れた為に、情報そのものが錯綜してしまった。
ノ:そやさかい、災害時での自治体としての仕事は、情報を発信するだけやのうて、支援を受ける上での準備を整えといた方が、スムーズに動けるんやないか…って事やね。
テ:日頃からの物質的な備えも重要だけど、本当に大事なのは、有事の時にスムーズに救援や復興に移行できる体勢を、活字マニュアル化する事ですね。
筑:心構えや訓練だけじゃなく、有事の時に、如何にして被害を最小限で食い止めるか、そして、被災後にどのようにして復旧・復興を進めていくか…それを常に考えておく事が、これからの行政に求められる、大きな課題だな。
シ:ええ…

東日本大震災で被災された方には、復興は長い道のりである事は確かです。でも、神戸をはじめとする阪神・淡路大震災の被災地は、今では随分と復興しました…ですが、それでも道半ばです。本当の意味での戦いは、これからだと思います。挫折しそうな状況の中でも、確実に、一歩ずつ…元の賑わいのある街へと戻していきましょう。俺達も応援しています。