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愚行は必ず己に返る…商標権編

中国企業が米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」の商標権を主張し、電器店などに販売差し止めを求めている問題で、中国広東省恵州市の裁判所は、同市内のある電器店に「iPad」の販売停止を命じる判決を下した。

訴えたのは、香港に上場している唯冠国際(0334.HK: 株価, 企業情報, レポート)の傘下にある唯冠科技(深セン)。数日前には、北京近郊の石家荘の規制当局が「iPad」の販売禁止を命じている。弁護士によると、唯冠科技は約40の都市の商務当局に対して「iPad」の販売差し止めを要請している。(By:ロイター 電子版 2012年2月21日付)

中国の商標権は、とにかく“自国至上主義”がまかり通るので、おそらくAppleは多額の賠償金および商標権の買い上げをすると思われる。が、それは何を意味するか…ちょっと考えて欲しい。つまり、コピー商品が“正規品”として認められ、本来のブランド品が、すべて“偽者”として取り扱われる、何とも本末転倒な話になるのだ。では、なんでこういう事がまかり通るのか?答えは簡単、企業が外貨を稼ぐのに一番効率いい方法は、たとえコピー商品であっても、それに関する“商標権”そのものを“自分のモノ”として登録しておけば、それが海外でも“通用”してしまう…という国際法の“欠点”が、このような問題を引き起こす訳である。

ここではあくまで、法律や企業問題に関してド素人の人間が、自分の感覚だけで説明するが、要するに、商標権をどうするかは、メーカー自身の管理下であり、そこんトコを、市場がある世界各国にキチンと表記してないと、それが時と場合によっては、途方もない“身代金要求”の根元となる…つまり、中国の企業はそうやって、海外…特に日本やアメリカといった先進国から、今までの繁栄をよこせと言ってる訳である。そう、彼等の多くが、戦後教育において、日本や欧米を“憎む”教育を受けた事が、結果として、こういう事態を生んだと考えていい。
つまり、ここんトコの部分は、いくら優秀な頭脳を持っていても、たとえ常識を弁えた起業家であっても、基本的な教養部分…特に、著作権や商標権といった、経済的な部分で意外と“実体の無い商品”を取引する明確なルールに関しては、誰もイマイチ理解できていない事がすべてと言っても良い。逆に言えば、こういうモンは“言ったモン勝ち”な部分であり、それを主張する事によって、その使用料を、価格に上乗せする権利を得る事ができる…つまりブランドとして確立する訳だ。が、コレは逆を言えば、それを侵害する犯罪を助長する一因であり、またその分の価格が掛かる分、品質以前としてその“名前”だけで売れるという、もうひとつの“犯罪”を孕む事になる。
つまり、真の意味での“オリジナル”とは、姿形を変えようとも、それを制作できる者以外に作る事等できないのであり、また、その“ブランド”とはユーザーとメーカーの“信頼関係”が具現化したモノである。それを知らずに主張すれば、そこで一番大損を扱くのは、メーカーよりもユーザー自身である。そしてそれは、ひいてはそれを主張したメーカー…つまり権利者自身に降り掛かる事になる。
ここんトコのネット環境でも、著作権に関して、ただ単純にガチガチに保護して誰も使えない様にするよりも、みんなで利用しながら、オリジナルを尊重して、その使用権限を緩和する概念…コモンズ登録というのが一般的になりつつある。コレは、要するに著作隣接権等の部分をある程度制限(商標登録しない、勝手にキャラ設定を変えない等)する代わりに、無償でその作品の使用を許可するヤツで、コレによる二次作品は、あらゆる分野で公表されている。また、ネット上でもそれ使う事に関して、許認可を受けなくても既に著作権そのものが、ある意味曖昧になってるんで、放置状態…って感じになっているw だが、オリジナルの著作権は保持されている為、実際は“素材”として使っても、オリジナルそのものが穢される事は無い。つまり、作家自身がその著作権を、ユーザーと“共有する”という感覚でオープンにしているからこそ、様々なグッズ販売をやったとしても、その世界観に則している以上は、お咎めナシなのが現実である。
ま、話が逸れまくった訳だが、要するに、一番損するのは、権利を主張して、多額の賠償金を手に入れて、それを何故か社員の賃金として還元しない企業幹部だって事。逆に言えば、商標権等くれてやる的な態度をAppleが取った場合、一時的にAppleは困る事はあっても、世界中のユーザーはそのブランド力を信じてついて行く以上は大丈夫だが、商標権を訴えた方はiPadの“継続機”を自分達自身で今後は開発しなくてはならなくなり、また、Appleの製品を、中国の一般ユーザーが、気軽に手に入れる事ができなくなる事も意味する。つまり、それだけの損失を背負えるならば、何をやっていたって構わないが、できなくて放り出すぐらいなら、権利を“放棄”する事も一つの考え方である。つまり、過剰に金銭や権利に振り回されると、却って自分がバカを見る…何事も、ヘタに欲張らず、そして謙虚に自分の持てる才能を磨き続けてこそ、本当の価値を見出せるのです。