迷馬の隠れ家 はてな本館

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原発問題の“光”と“影”〜どちらも地獄な話〜

関電の大飯原発再稼動問題…脱原発派にとっては、即刻でも阻止したい話だが、その前にちょっと考えて欲しい事がある。以前のネタの中でも振れたが、そもそも、核施設にしろ新幹線にしろ、それらを“受け入れる”事を決めた自治体の事情を知った上で、抗議をやる分には良いが、何も知らずにただ怒鳴ったり、作業員や施設に危害を加える事程、愚かで多大な迷惑をかける話は無い。本気で原発廃炉をやりたいなら、今すぐにでも原発を自分達の手で壊せば良い。だけどそれば、不用意に放射性物質を、しかも自分の手で周囲に撒き散らす様なモンであり、福島県民以上の犠牲が出る事を意味する。つまり、抗議のつもりでやった破壊工作が、却って自分だけならともかく、地元や近隣の無関係な人達まで巻き込むという事態を招く結果となる。

もちろん、原発全てを止めて問題が無いならそれに越した事は無い…と思いがちだが、実はそれ自体が“問題”になる場合がある。そう、原発保有してる自治体の、その他の職種での収益である。原発が稼動してる時、あるいは、定期点検で部品交換等の作業中の時は、それに伴う作業員や部品加工の技術者が現地に赴く訳であり、そういった人々を相手に商売してる人々にとっては、原発が“使えない”という事態になれば、事故で泣く泣く土地を失うよりも深刻な事態になる。そう、収入が無くなるから、生活がたちまち困窮するのだ。事実、原発がある自治体には、共通する“事情”がある。それは、農業や林業、漁業以外での産業がまったくなく、しかも過疎化が進み過ぎて財政が破綻寸前である。逆を言えば、自治体の統廃合で済む様な状況であれば、何もそこんトコのフォローは、国が地方交付税を大幅に上乗せすれば済む様にも思えるが、そこんトコを知らずに増税を反対したバカのせいで、こちらも“緊縮政策”状態である…ま、そういう事を訴えていたら、民主党もここまで叩かれる事は無いんだがw
閑話休題、要するに、国が何かをやろうとしても、それに似合うだけの収入が無ければ何もできないのであり、その原理は、各地方自治体でも同じ。もっとわかりやすく言えば、子供がどんなに小遣いが欲しくても、それに似合うだけの収入を親が稼いでくれないと無理なのと同じw もちろん、無駄を省く事は重要だが、その“無駄”とはドコの部分を指すのかによって、不利益を被る人もいるという事。つまり、年金や生活保護の支給を削減しようとすれば、必然的に一人暮らしの高齢者や、心身にハンデを持つ人々が真っ先に“犠牲”になる。まして、今の様な経済状況では、再就職も難しい状況であるから、若年層の失業者も多い訳であり、失業保険の支給が突然打ち切られたら、当然だが職を探す前にボロアパートの一室で…となる危険性も出てくる。また、公共サービスの内、病院や学校の運営をやめてしまえば、義務教育世代の子供達は、上質な教育を受ける機会を奪われる事になるし、また、医療機関が無くなれば、重篤な症状が出ても、遠い医療機関まで出向かなければならなくなる。その結果、奈良の“妊婦たらい回し”よろしくな状況になりかねない。水道にしても、道路整備にしても…要するに、自分の生活が“快適”なのは、こういった公共サービスを、自治体や国がやってくれているからであり、その為の“収入”が税金である事に気付かなければならない。
ここまで説明して、それでも納得がいかないなら、一度、シムシティスパロボ等のシミュレーションゲームをやり込んでみよう。自分の思い通りにならない理由は、それに似合うだけの事を、誰も支援してくれないからだという事に気付くだろう。必要以上に開発を進めたくないなら、それ故の理由と代案を提示して行動を起こすべきであり、それができないのであれば、万が一の為の賠償を、キチンと決めておいた方が良い。逆を言えば福島県の悲劇は、そういった“非常事態”を甘く見積もった結果であり、そこの部分をキチンとやっていれば、福井県のみならず、周辺自治体とて文句を言わない。むしろ、滋賀県がブータレ扱くのは“近畿の水瓶”という意識があって、しかも風向きによっては琵琶湖が汚染されるという危機感からであり、他の関西広域連合加盟自治体もまた然りなのである。(この話において、奈良県は知事がバカなんで“蚊帳の外”ですけどねw)しかし、おおい町の住民からすれば、そういった他の自治体…しかも大口の収入源がある大都市圏の“意見”なんて、まさに“滅びろ”と言われてるのと同じなのである。だったら、脱原発を唱える人々が、こういった“過疎で不便な自治体”に居住を構え、そこでお金を落せば済む話なのである。
とどのつまり、自分と“関係無い”からこそ、何も知らずに平気で悪口を言っているだけであり、相手との関係性を知れば、如何に自分の言った事が愚かな事だったのかを恥じる事となる。敢えて言っておくが、著名人が何を言ったとしても、彼等は地元とは“別世界”に住んでいる者であるから、平気で罵る事ができる。しかし、本当に被災者を救済したいなら、あるいは、こういった財政破綻寸前の自治体を何とかしたいのなら、自ら、その功績や肩書きを捨ててまで移住して、そこに骨を埋めて礎となるべきだ。今の若者が都会を捨てて田舎へ移住する一番の“理由”がそれである以上、財産を持て余して作った大豪邸や、余分な設備の整った都会でギャーギャー騒ぐ方が滑稽というモノ。何度も言うが、本気で脱原発を唱えるなら、今すぐに自分の家に引き込んでいる送電線を断ち切って、自家発電だけで生活してみ。もちろん、外部からの化石燃料の補給とかも一切ナシで…だ。もちろん、そういう事は、本当にやろうと思えればできる事だ。但し、それ故に費用や技術までも他人に頼ったり、また、発電やバイオガズ精製時に発生する“弊害”に関しても、近隣に迷惑を被らせてはいけない。何度も言う様だが、その“生活”の為に“犠牲”になるのが嫌な連中程、まるで子供の様に我侭を言いまくる。だから、何を“犠牲”にしているかを知った上で抗議する分にはともかく、言った以上はそれに似合うだけの“代案”をもって再開発に協力してこそ、住民を納得させる事ができる…と、発想を変えない限り、原発“城下町”を救う事はできない。