迷馬の隠れ家 はてな本館

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“不幸”で片付けられない交通事故〜運転と発作〜

昨日、京都・祇園で起きた交通事故は、あまりにも不幸過ぎる話ではなる。が、だからと言って癲癇(てんかん)の発作がある人を軽蔑して欲しくない。まして、癲癇以外でも心不全脳卒中で意識を失い、クルマを暴走させる危険性は誰にでもあるし、事故の一報を聞いた際に、オイラもある程度の予測がついていた。大体、人通りが激しい繁華街で、配達の為とはいえど軽自動車でトロトロ運転する事程、危険極まりない話は無いのだが…

先に、癲癇発作のメカニズムを簡単に説明すると、脳神経が何らかのトラブルを発生し、脳全体、あるいは部分的にパニックに陥って痙攣を起こす訳だが、その原因は様々。一概には言えないのだが、中には脳腫瘍を疑った方が良い場合もある…との事。(ま、この件について詳しい解説は、マーティにやってもらいますかw)つまり、癲癇発作が起きると、当の本人ですら“制御不能”となる訳であり、それを防ぐには、なるだけ刺激を与えない様にせざる得ない。
しかも、今回の事故は勤務先に対して嘘をついた訳であり、また、現在の道交法に違反(申告漏れ)して免許の更新をやった事も重大なポイントでもある。では何故、癲癇を隠さなければならなかったのか?その答えは実に簡単。そう、癲癇である事を理由に会社を辞職したくなかった事と、自動車免許にそれを記載すると、配達等の職種に再就職で不利になるから…という心理的な部分がそうさせたのである。つまり、他の癲癇患者と自分を“一緒”にして欲しくなかった事が、今回の悲劇を生んだとも言える訳だ。もっとポイントを掻い摘んでいえば、癲癇である事を理由に差別される事が怖かったからこそ、嘘をついたとも言える訳である。
オイラが以前務めていたトコにも、癲癇持ち故に店舗配属されずにバックヤードの部門ばっか回されるヤツがいた。でもコレは、会社側として“正社員”として籍を留めてやる為の譲歩であって、当の本人もその事を受け入れた上で仕事をしてる訳である。ゆえに上司はその事を知った上で、発作が起きない様、なるだけ刺激の少ない軽作業に重点を置いて仕事をさせていた。もちろん、本人はクルマの運転免許なんて取得していない。自分でそれを理解できているからこそであり、もっと言えば、初めて癲癇発作を起こしたのが免許取得可能年齢に達する前だったからこそ、免許取得を諦めた経緯がある。つまり、本人が癲癇という神経系統の発作を正しく理解し、尚かつ会社もそれを理解した上で雇っているなら問題ないが、そもそも、癲癇そのものを世間があまり理解していない事が、今回の悲劇を招いたとも言えよう。要するに、誤解による偏見が、癲癇患者に嘘を付かせている…という訳だ。
だからこそ、重篤な交通事故が起きる度に“また癲癇発作かよ…”と偏見を持たず、また、その癲癇発作の原因を知らずに患者を罵るのはやめてもらいたい。なぜなら、癲癇持ちである事を“隠れ蓑”にして、無差別殺人や国家に対するテロをやりかねない輩がいるからだ…

教訓:癲癇に限らず、どんな発作も突然起きる。但し、自分が癲癇持ちである事を事前に告白しておかないと、他の癲癇患者が謂れなき差別を受ける。