迷馬の隠れ家 はてな本館

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マーティの真面目にプライオリティー 2012年8月号(癌とともに生きる〜甲状腺癌のウソ・ホント〜)



マーティ(以下テ):ども、マーティです。
エルハ(以下エ):こんにちは、エルハです。
テ:おっと…命日企画以外でコンビを組むのは、今回が初めてだけど、エルハ、今回の話題は今年のテーマと合致するんだけど…いいかな?
エ:ええ…ここのところよく聞く“甲状腺癌”に関する話よね?
テ:そうなんだ。しかも、福島第一原発事故以降、この話を持ち出す人が多いんだ。だけど、そもそも、癌自身は、誰にでも起きうる病気であり、また、放射線被曝だけが原因ではない事は、この“まじプラ”でも何度が紹介してる話だよね。そこで今回は、一部の医療関係者が、それこそ発作的に騒いでいる、甲状腺癌や急性白血病が“子供に増えている”というデマに惑わされない為の“基礎知識”に関して、おさらいしていこうと思います。
エ:正確な情報を得るには、本来ですと医学分野の論文などを引用するべきでしょうが、それではわかり辛いので、がんサポート情報センターというサイトでの解説を踏まえて、基礎的な話からやっていきたいと思います。

テ:そもそも、甲状腺癌と放射線被曝がリンクすると騒がれ出したのは、1985年のチェルノブイリ原発事故以降の旧ソ連の小児科医が個人的に纏めた小児の甲状腺癌罹患数を、世界的に有名な環境保護団体がデータを歪曲して公表した事が始まりとされています。
エ:確かに、甲状腺癌に罹った子供達が…って、当時は結構問題視されていた様だけど…それと福島の現状は、同じとは言えないの?
テ:う〜ん…実は甲状腺癌そのものは、罹患者の殆どが30代までの若い女性に多く、しかも、罹患者の殆どは、余程の事でない限り、手術や化学療法、放射線照射といった治療を行う必要はないんです。
エ:Σ(( ̄恵 ̄; ) え…そうなの?
テ:誤解を招く事をいうかもしれませんが、そもそもチェルノブイリで事故後、甲状腺癌が多かったというデータそのものは、過去の甲状腺癌の罹患者データそのものが、当時のソ連医療機関では無視されていた事もあり、正確なデータとは、言えないのです。また、日本人の様な食品中のヨウ素を体内に予め取り込んでいる人と、そうじゃない人では、その発症事案も違うし…そもそも、この甲状腺癌自身は、その殆ど…およそ9割は、自然に消えたり、病巣の進行が遅い為に、経過観測のみで済む病気なのです。むしろ、癌発見後即座に受けた手術後に、甲状腺ホルモンの低下や、甲状腺の周囲にある反回神経…これは、声帯の運動を司っている神経ですが、ここの部分が傷付いた事による声の掠れ、更には、副甲状腺機能低下が心配されます。つまり、進行が遅く他の部位への転移が少ない癌の為、むしろ手術後に他の病変で亡くなるケースが多い癌と言っても良いでしょう。
エ:でも…癌には変わりないのでしょ?
テ:実際に、この癌そのものは、罹患数は1000人に1人で、しかも多くは40歳未満の女性になり易いとされていますが、そもそも、病理的進行が遅く、しかも殆どの場合は悪化するケースがない事が特徴ともいえる癌なのです。したがって、他の癌…ボクやシンちゃんみたいな消化器系や、肺結核との併発でなる肺癌などと違って、“早期発見=早期治療”で解決する様なモノではありません。むしろ、甲状腺に癌巣が見つかっても、10年以上放置してても生存してるケースがあるのが、この癌の特徴…とも言えますね。但し、若いうちは罹患してても大丈夫な癌なのですが、これが50歳を過ぎて発症した場合は、要注意なのです。
エ:つまり、あたしみたいな事に…って事?
テ:マスターの言葉を借りれば、ぶっちゃけ、そういう事だそうです。つまり、成長ホルモンとしての役目もある甲状腺が、体内で悪さをする事になるとすれば、この50歳以上での罹患が、むしろ恐ろしいと言えるのです。ですから、若いうちに甲状腺癌の疑いがあると診断され、甲状腺の摘出とかを考える場合、この年齢がひとつのカギになると言っていいでしょう。但し、ごく稀に、若年層でありながら全摘手術を受けなければならなかったケースもあります。ただ、日本の場合は甲状腺を温存する手術法が確立されていて、そっちを選ぶ方が多いのですが、欧米では、リンパ節からの肺や肝臓などへの転移防止と、その残った癌を駆逐する目的で、最初から甲状腺を全摘し、不足する甲状腺ホルモンの投与と、放射性ヨードによる治療が一般的です。
エ:どういう事かしら?
テ:日本の医学では、甲状腺癌そのものは進行が遅い事と、甲状腺ホルモンの重要性…特に、皮膚や粘膜などの細胞形成に役割がある事に着目し、また、骨の成長に欠かせないビタミンDを生成する副甲状腺まで摘出する際の弊害として、骨粗しょう症などを併発する危険を指摘してるからです。しかし、欧米ではそれらは内服による投薬で充分…という考えでやっている為、根本的に治療法法として患者負担よりも、医師の煩わしさの軽減を優先した…と考えるのがスジではないでしょうか?ま、そこんトコは、ボクらからすれば、患者自身が選ぶべき事なんで、自分自身が納得した上で選ぶべき…としか、言い様がないのですが…w
エ:あ、そういえば、治療方法に放射性ヨードを使うって説明したけど、それじゃ、原発事故による甲状腺癌が…ってのは、最初から否定されてる様なモノじゃないの?
テ:その通りw 実は、甲状腺癌での治療方法として、放射性ヨード剤の服用があるんだけど、この治療を行う際には、通常では考えられない程の放射線被曝を伴うんだ。とりあえず、このまとめを参考にして欲しいんだ。ここで書かれている様に、治療の為とは言え、放射性ヨードによる放射線被曝が伴う為、治療を受ける患者は、医師からも隔離されるんだ。但し、放射性ヨードの場合、半減期が8日…つまり、一週間程度だから、ヨウ素に関して言えば、むしろ“無害”とも言えるし、放射性セシウムだって、基本的に体内に留まる事は殆どなく、しかも半減期は数年程度…実際は新陳代謝が活発な子供の場合、食品から取り込んだとしても、よっぽどの量…ぶっちゃけると、原子炉に落ちた食品でも大量に食べない限り、急速、且つ、過剰な被曝をする事なんてない。結論から言えば、反原発を掲げる人程、実は、医学的見地では“事実無根”である事を知らない人が多いんだ。
エ:それと、甲状腺癌で亡くなる人には、多くの共通点がある…って頃でしょ?
テ:そう…本来なら区別して説明した方がいいんだけど、ざっくりと纏めた言い方を知れば、先天的な別の異常…甲状腺に関して言えば、バセドウ病や橋本病という癌以外の甲状腺の病気が根本的にあって、コレによる場合が殆どなんだ。また、亡くなった人の殆どは高齢者である事を考えると、むしろ、過剰に恐れる様な病気ではない…とも言えるんだ。但し、あくまで専門医の判断と正しい知識を身に付け、理解する事が絶対条件だけどね。
エ:つまり、要約すれば、欧米でのデータは、必ずしも日本で当てはまる様なモノではないし、しかも甲状腺癌そのものは、発症率が低い上に、キチンと検査を受け、医師に指示に従って治療すれば、根治可能な病気だという事…ですね。
テ:そう。元々、欧米の甲状腺に関する医療データそのものは、日本人と食生活そのものが違う上に、食品からのヨード摂取が少なかったからこそであり、また、乳幼児からの経年変化のデータではなく、一過的な数値だけで騒いでいるモノ…つまり、正しい知識無しで恐れるよりも、医学的見地から発信される総合的なデータを理解した上で精査した方が、原発云々を語るよりも有益だという事だよ。
エ:それと…大概の“市民運動”の根底には、既得権益による軋轢が潜んでいる…と、考えた方がいいわね。
テ:それはここでは別の話。そこんトコはいずれ、チルトの方でやってくれると思うんで、ここではノータッチ…としときますw
エ:よくよく考えて、そして理解する事は、いらない差別を減らす、有効な手段です。そして、理解すると同時に、批判されても、それを理不尽と思わず、むしろ相手にもっと理解し易い様に、こちらの方で懇切丁寧に解説していく事が、なにより重要な事だと思うのです。そのきっかけになってくれれば、幸いな事だと、ここのマスターはおっしゃっています。
テ:どんな病気でも、治療が遅れたり処置が悪ければ、寿命を縮めるだけで、意味を成しません。しかし、治療の結果で予後不良でも、そのデータが残る限り、後に続く人の希望になるのです。それを嫌って批判するのであれば、どうして助けて欲しいのに誰も手を差し伸べなかったのか、少し考えてほしいのです。ボクの事で…否、ボクが自分の命と引き換えに残した治療データは、現在の消化器系癌治療に役立っているのと同じで、こういった犠牲を基にした治療データあってこそ、助かる命もあるのです。そこんトコを誤解したまま、医療関係を憎むのであれば、大怪我をしても、あるいは、重篤な病気を発症しても、医療機関に掛からない事です。何度も言います…ボクの命は、他の命を救う為のデータとして、今も医療関係者の中で“生き続けて”います。
エ:それは、私も一緒…女性の方も、そして、男性の方も、過剰に病を恐れず、大いに人生を楽しんでください。それが、今を生きる人々の、本質的な“使命”なのです。

テ:と、いう訳で、今月はここまで。それでは、また…お相手はボク、マーティと、
エ:エルハでした…