迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

マーティの真面目にプライオリティー 2013年7月号(遺伝子の疾患…筋ジストロフィーについて)

マーティ(以下テ):ども、マーティです。
ナイン(以下ナ):おはこんばん…ナインです。
マーグ(以下グ):うい〜っす、マーグだぜ。
テ:今回の“まじプラ”は、非常に言葉での説明が難しく、むしろ画像とかを見た方が解り易い難病、筋ジストロフィーについて、簡単ではありますが、解説していこうと思います。
グ:これって、結構よく聞く病気だけど、筋肉が緩んでくる病気だよな?
ナ:ポリ…σ(-"-;)ウ~ンそういうイメージで語られると、非常に説明が困るんだけど…
グ:え、なんでだよ?
テ:一般的な筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーと呼ばれるモノで、基本的に染色体異常による突然変異で発症するのが特徴で、男の子に多い病気のひとつです。また、日本人に限れば、福山型先天性ジストロジーという特異な筋ジストロフィーもあります。今回は、この二つに絞って解説していきます。今回は日本筋ジストロフィー協会の筋疾患百科事典ふくやまっこ広場の文献・データを参考にしています。

グ:で、デュシェンヌ型と福山型ってなんだ?
ナ:どちらも筋ジストロフィーの一種だけど、この病気を発見し、研究した医師の名前がそのままついてるんだよ。デュシェンヌはフランス人医師で、世界中の筋ジス患者の殆どが、これに該当するんだ。で、福山型と呼ばれるモノは、東京女子医大の小児科、福山幸夫名誉教授によって報告された、日本人にのみ発症例のある特殊な筋ジスで、神経障害を伴う症状が特徴なんだ。
テ:ま、どっちも筋線維が成長とともに壊れていく事に変わりないけど、大まかに言えば、女の子にも発症するのが福山型で、男の子しか発症例が殆どないのがデュシェンヌ型と考えるといいよ。但し、これ以外にも糖尿病を起因とするモノや、ステロイド摂取による薬害に近い筋ジスもあるんだ。だけど、そこの部分まで解説するとややっこしいんで、この二つに絞ってやってるんだけど…
グ:なるほど…で、ぶっちゃけ、どこがどう違う訳だ?遺伝子情報の異常なのはわかるんだが…
テ:基本的に、X染色体の異常により、ジストロフィンと呼ばれる蛋白質の欠損が発生し、その結果、筋線維が壊れる度にカルシウムが破損箇所に過剰に集中し、カルパイン等の特殊な酵素でドロドロになった挙げ句、マクロファージによって掃除された後に形成される細胞が、筋線維以外のモノに置き換えられるのが特徴なんだけど、このデュシェンヌ型の場合、脳神経に異常をきたすという事がないから、末期でも生命維持装置(人工呼吸器等)を施していれば、パソコン操作での作業ができるんだ。
ナ:ところが、福山型筋ジスは、脳神経細胞にも影響が出るのが特徴で、知能の発達障害が出るんだ。しかも、後天的要因もあるデュシェンヌ型と違って、先天性の筋ジスだから、赤ちゃんの時点で発症してるんだ。でも、それがわかるのは生後8ヶ月以上経って、首が据わらない、座れても立ち上がれない等の症状が見られるんだよ。それに、人懐っこいトコがある反面、言葉を上手く話せない事も多いんだ。
テ:今でこそ、治療・延命法が確立されつつあるし、iPS細胞を使った研究も始まっているから、福山型筋ジスと診断されても、成人するまで生きる事が可能になっている…とはいえ、福山型筋ジスは、筋細胞を結びつける蛋白質フクチンの欠損が原因だから、10歳以上になると、定期的な診断が必要になるんだ。もちろん、そこんトコはデュジェンヌ型でも一緒で、発症(正確には発覚)が遅い分、その時点からのリハビリや副腎皮質ホルモン等の薬物投与で病気の進行を遅らせる事も可能なんだ。
ナ:だけど…残念ながら、現時点では完治はできない病気だから、限られた時間の中で、精一杯に生きていく為の生活支援が重要になるんだ。あくまで、自分らしく生きていたい…そう願っている患者も多いから、在宅での治療を望むんだ。
グ:てことは、一般的に知られている身障者と違って、病的な身体ハンデはあれど、知能は優れている場合もあるって事か。
テ:ま、類似の難病として、筋萎縮性側索硬化症(ALS)というのもあるけど、根本的に違うのは、遺伝子の異常で筋肉そのものがダメになるのか、運動ニューロンの異常で動けなくなるのかの差であり、また、筋ジスは子供の難病だけど、ALSは中高年に発症例が多く、遺伝しないのが特徴。だから、似て非なる疾患だという事だけは、覚えといてください。

という訳で、今月はここまで。お相手はボク、マーティと、
グ:マーグ、で…
ナ:ナインでした。