迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

今更ながら、堺市長選挙の結果について…

先月の末に行われた堺市長選挙、結果に関して言えば、一見すると堺市民の“維新批判”に見えるが、実はそうじゃない…てのも、堺市民とて、大阪都構想に関しては、正直なトコを言えば賛否両論であって、基本的な事を言えば、大阪都への移行に関しては、どうでも良いってトコがある。が、大阪“府知事”がそれを言ってるならともかく、大阪“市長”が騒いでるからこそ、隣接する都市である堺市民が“カチン”となっただけの話であって、橋下徹の戦略で、唯一の“失敗”と言わざる得ない訳である。ま、要するに堺市民が一番勘違いしやすい点を一言でいえば、大阪市の借金を、堺市が穴埋めしろって大阪“市長”に脅迫されたと思われてる訳であって、そこんトコの誤解を解くよりも、むしろ堺市を除いて大阪府を“再編”する…と言ってくれた方が、ひねくれ者が多い堺市民も納得する訳であるw

以前にも説明したが、大阪府が現在のカタチになる以前…明治の廃藩置県が行われた時に、河内と泉州、そして現在の奈良県がひとつの行政区画として“堺県”というのが誕生し、堺市はその行政の中心地として整備が着工された経緯がある。ところが、大阪市を内包する大阪府が、その借金をどうにかしようとして、堺県を吸収合併しようとした事に端を発して、そもそもプライドが高い奈良県民…てか、平城宮近隣の集落にいた住民が猛反発した訳で、それで金剛生駒、紀泉山地を境に堺県を分割し、海側を大阪府が吸収合併、山側…つまり現在の奈良県が独立した訳である。言い方を変えると、大阪府のメンツを保つ為に、堺県を分断してしまったという、泉州民や河州民を激怒させる様な“大罪”を犯してる訳である。奈良県民も、実は少なからずその“弊害”を受けたのはいうまでもないが、そもそも、奈良県もまた“堺県”という行政区画のあり方に対しては、些か不満があった訳で、だけど、財政的な事を言えば、文句を言えた義理じゃなかった。(この時代から、奈良県民はひねくれていく訳で…w)
つまり、行政としての大阪府大阪市は、堺市民が一番“ウザがる相手”であり、その行政のトップが、堺市内でドヤ顔で公共事業の指揮を執ったり、勝手に“One Osaka”と吼える事が、元々気に喰わない訳である。ただ、大阪府に関して言えば、それでも“従うべき上司”という感覚があるから煩くないが、相手が“大阪市”となると、話は別。古い話を持ち出すと、それこそキリがない程、因縁話が凄まじいw 特に江戸時代以降、非常にどキツい恨み話が出てくる訳で、その最たるモノが、実は大和川の河川付け替え工事である。現在の大和川の経路は、実は江戸時代に行った工事によるモノであって、本来の流れではない。というのも、自然に任せっ放しでいると、現在の大川(旧来の淀川)と合流して、海に流れ込む訳であって、そうなると、こないだの台風と同クラスのヤツが近畿を直撃すると、真っ先に上町台地より西側の船場が水没する事になる。そこで、大和川と大川を分離させる様な水路を作って放流する計画が立ち上がって、それを実行した訳である。ところが、これによって、現在の住之江区住吉区に跨がる遠里小野(おりおの)の集落が、この水路整備のせいで、現在の堺市堺区の遠里小野町と分断されてしまう訳である。この結果、そこにあった交易用の港も潰されてしまい、住吉と堺の住吉大社の氏子達がワリを喰った訳である。今でも大和川を挟んで住吉の夏越の祓を行うのは、実はその名残であり、堺大魚夜市も、元々は住吉の祭礼に合わせて行った奉納雑魚場(ざこば)市である。同じ理屈で言えば、東住吉区矢田は、実は松原市の一部にも食い込んでいる…というのも、阿麻美許曽(あまみきそ)神社が矢田の鎮守の杜であり、その境内と参道は、地図上では松原市に見えても、今でも登記上、大阪市の土地なのである。(平野区の瓜破や長吉の一部も、実は松原市の一部に食い込んでたりするw)そう、この件では、松原市の話になるが、平成の大合併で、堺市松原市が合併していたら、その喧嘩は、南河内泉州総出の大事になることを意味する。(とはいえ、堺市松原市との合併に関しては否定的なんだけどねw 同じ理由で高石市堺市との蜜月関係を断った訳で、その煽りで、今まで堺市に頼ってた消防・救急業務を、自前でやらないといけなくなった訳だが…)
閑話休題…そういう因縁話が、今でも色濃く残ってる事を失念して、堺市以南を語ってはいけない。そして、政令指定都市が、隣接する財政が安定している中核市政令指定都市と合併する事は、それだけの財政赤字を孕んでいる(=その赤字を肩代わりして欲しい)事を意味する。その事を知っている堺市民だからこそ、大阪市長の言い分に対して“NO”という答えを突き付けた訳である。つまり、二重行政解消の“正体”は、単に大阪市財政破綻を先送りする為の口実であり、抜本的な改革をやってるつもりが、実は余計な赤字を増産してる事に気付いていない訳である。民間への行政サービスの移行は、それ故の給付金を、一部の企業に血税を払う事であり、不正をされても、行政にその追求ができない事を意味する。もちろん、どこぞの鉄道会社の如く、経営難と国営時代の癖が抜けずに手抜きされては困る訳だが、必要以上の経費削減案や公共サービスの廃止ありきでモノを語ると、却って、誰も税金が払えなくて自治体そのものが窮する事になる。その部分をキチンと説明した上で増税や一部優遇措置の廃止を決めるのであれば、文句がある人でも、渋々条件呑まざる得なくなる。だけど、説明も何も無茶苦茶な事を言って、無理矢理な合併や統合をやっても、結果としてバラバラになる。つまり、堺市民の答えは、本気で大阪都を実現させたいのであれば、まずは大阪市堺市に手を出す事はやってはいけない…という事である。ここの部分を勘違いしてはいけない。つまり、松井大阪府知事経由で言う分にはともかく、大阪市長大阪市の事情“だけ”で堺市の事を語るな…という“意思表示”です。何度も言いますが、大阪都構想そのものの是非ではなく、ただ単純に、大阪市長の暴走に対して、鳩尾にドロップキック入れて止めようと試みたまでの話ですw