迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

マーティの真面目にプライオリティー 2013年12月号増刊(もしも輸血が原因で、HIVに感染したら…)

 エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が、日本赤十字社の検査をすり抜けて出荷され、患者数人に輸血されていたことが25日、分かった。厚生労働省と日赤は輸血された患者を特定しており、感染の有無を調査中。感染者の血液が輸血されたのは、2004年に日赤が対策を強化して以降は初めて。
 関係者によると、今月行った検査で、男性献血者の血液からHIVの抗体が検出された。男性は数カ月前にも献血したことから、日赤が保管していた検体を調べたところ、HIVの遺伝子が検出された。その後、この血液が数人に輸血されたことが判明した。
 HIVに感染後約8週間は、ウイルスや抗体が微量で検査をすり抜けてしまう「ウインドーピリオド(空白期間)」と呼ばれる。日赤は1999年、ウイルスの遺伝子を増幅させて感染を見つける核酸増幅検査(NAT)を導入したが、03年にすり抜けによる献血で患者がHIVに感染した。04年、検査の精度を上げるため、50人の血液を一括して検査していた手法を改め、20人分に変更していた。
 今回はそれでも見抜けなかったため、1人分ずつ調べる方向で検討を開始。厚労省も26日、専門家の委員会を開き対応を協議する。問題となった献血をした男性は、性的行動の質問で事実と異なる内容を答えており、厚労省は検査目的で献血した可能性が高いとみている。(by:毎日新聞2013年11月26日 2:30配信分)
ども、マーティです…昨日の特集をやった手前、こんなニュースが今朝、飛び込んできたので、特集の“補足”として、今回のケースでは、何が起きたかを解説していきます。

今回の場合、問題となっているのは、献血を行った男性の血液からHIV抗体とその遺伝子が見つかった事と、それが判明する以前に、問題の男性の血液が、既に輸血等に使われていたという事です。というのも、HIV感染から8週間…およそ2ヶ月は、検査をしても微量過ぎて、判断できない“ウィンドーピリオド”と呼ばれる期間があり、その間に献血を行えば、不特定多数の、輸血を必要とする患者に、感染させてしまう可能性があるのです。つまり、HIV感染が疑われるタイミングで、しかも本来の目的以外で献血を行うと、感染を拡大させる事になるのです。今回のケースでは、問題の男性が、最初からHIVに感染し得る可能性のある性行為をやったにも拘らず、その事を告知しなかった…虚偽申告をした上に、検査目的で献血を行った事が、感染拡大に繋がったとされます。
もちろん、献血を受け付けている日本赤十字社も、HIV感染拡大を防ぐ為に、検査を行った上で輸血を必要とする病院へ血液を送りますから、そこでの落ち度があったと言わざる得ないのかもしれませんが、検査精度を上げた2004年以降、HIV感染血が輸血を必要とする患者へ使われる事がなかった事を踏まえると、今後、血液のHIV感染検査が厳しくなる分、ストックされている輸血用血液が足らなくなるかもしれません。
輸血による、HIVを含めた感染症発症は、一種の“薬害”です。しかし…現在は血液製剤を製造する際でも、日本赤十字社が行っている献血による血液で作られている以上、献血希望者自身が、医療機関で実費を払ってまで検査をして、医療機関からのデータを基に、献血を呼びかけるという面倒くさい事を、やらざる得なくなるでしょう。ただ、HIVに感染したかどうかは、保健所や医療機関で、しかも匿名で行えますから、まずは、HIV検査を受けてください。でも、だからと言って、献血を“血液検査”の代替で活用するのは、輸血を必要とする患者への背任行為とも言えるので、絶対におやめください。これは、患者だけでなく、献血を受け付けている日本赤十字社の信用を陥れる反逆行為です。

という訳で、今回はここまで…マーティでした。