迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

マーティの真面目にプライオリティー 2014年8月号(アスペルガーと犯罪の話。)

マーティ(以下テ):ども、マーティです。更新が遅れました事、深くお詫びします。
マーグ(以下グ):ういーっす、マーグだぜ。
アッシュ(以下ア):君よ8月に熱くなれ…緑壁のアッシュだ。
テ:(ノ政`)アチャー いくら夏の高校野球のシーズン前とはいえ、そのフレーズ、使いますか?
ア:いやなに、今回は長崎で起きた殺人事件の話だろ?
グ:報道機関の情報だけだと、どうも被疑者自身に精神的疾患がある様に聞こえるけど、マーティはどう思うんだ?
テ:タイムリーな話になるとは思いますが、今回のテーマは、ズバリ“自閉症(広汎性発達障害)”と犯罪の因果関係についてです。
グ:いや、だからマーティはどう思うんだって?
テ:ボク的には、知的障害があるからと言って、それを理由に差別する事はおかしな話だと思うんだけど、ただ…疾患や障害が基で犯罪をやってるという印象が強い報道を聞くと、ボクですら“ああ、やっぱり?”って感じがしますね。
ア:そうなるのはおそらく、過去の事例として…特に小説や物語において、犯人の精神状況を表現するツールとして、アスペルガー症候群だのサイコパスだのといった“都合のいい知的障害”を取扱ってるからだと思うね。でも…この疾患の多くは、健常者に比べて少数派でしかない事と、知的障害がある事を“キチガイ”として侮蔑してきたからねぇ。そういう“病気”だと頭で理解したとしても、一般的に接し方がわからないと…ってトコがあるな。
テ:そこなんですよ…今日も一部の情報番組で、誤った認識による発言が問題になりましたが、できるだけ、多くの人が知的障害に関する知識と、それに対する接し方を学んでもらいたいと思い、取り上げる事にしました。
グ:そうだよな…自分が当事者でない限り、こればっかりはわかんねぇ話だよな。
テ:そこなんですよ、この“問題”の根本的な部分は…
ア:確かに、難しい問題だよな。
テ:今回は特に、アスペルガー症候群を中心に解説していきます。という訳で、今回はこちらのサイトを参考に纏めていきます。
ア:そもそも、アスペルガー症候群ってのは、どんな疾患だっけ?
テ:一応、自閉症のひとつとして取扱われてますが、基本的には、健常者とあまり“変わらない”というのが特徴かと思いますね。
グ:どういうこった?
テ:正直に言えば、自閉症と同じ様に発達障害の一つではあるのですが、明らかに違うのは、知的障害を伴うのが普通の“自閉症”であり、その真逆で、むしろ認知発達に偏りがあって、得意分野だと集中するのに、苦手な分野だといろんな意味で我侭になるのが“アスペルガー症候群”となる訳です。どっちにしても、脳に何らかの障害があってそうなる訳ですから、親の躾云々よりも、まずは“脳の機能に何らかの不具合がある”と考えた方が良いですね。
グ:つまり、両親ですら、手に負えない程の知的障害があって…てことか。
ア:それ、ちょっと誤解を招くぜ、マーグ。
グ:そうか?
ア:つまり、同じ様に脳神経の機能不全による障害で、脳性麻痺等と違って、身体的な影響がなかったのに、知的障害を持ってしまったのが広汎性発達障害って事でいいのか?
テ:ぶっちゃけ論で言えば、そうなるかもしれませんね。ただ、その発症原因が先天的な脳の機能障害である事が多く、故に、ごく稀に、てんかんやトゥレット症候群という神経系の障害を持ってる人もいる訳です。
グ:で、今回の佐世保で起こった残忍な事件…同級生を殺した挙げ句バラバラに解体しようとしたってのは、どう説明できるんだ?
テ:仮に、被疑者がアスペルガー症候群であった場合、被害者側の悲鳴や痛みを訴える態度を見て、判断できるのであれば、ここまでの事はしません。むしろ、解剖等に興味があったのであれば、それを”何故、人間に対してはやってはいけないのか?”という素朴な疑問に対して、明確な“理由”を述べる事で、凶悪な犯行を止める事はできたハズです。
ア:つまり、普通なら曖昧な説明でも通じる事でも、アスペルガーの場合は、そこを明確にしないと理解できないって事か。
テ:そこなんです。とにかく、冗談が通じないし、複数の情報を処理する事ができない上に、指示以外の行動ができない…要するに、健常者から見れば“自分勝手”です。しかし、本当に“自分勝手"なのは、案外、健常者自身かもしれません。
グ:つまり、こっちが“空気嫁”って事か?
テ:そうなんです。だからこそ、注意するにも、何かの指示を出すにも、当人に“理解不能”な事は避けるべきであり、むしろ本人のやりたい事を、上手くコントロールする為の工夫が必要なのです。
ア:う〜む、こう考えると、こっちの精神が参ってしまう様な疾患なんだな。
テ:ヲタクだろうが自閉症だろうが、本当に犯罪に手を染めてしまう人は、ごく僅かな人達で、しかもそれは、周囲の注意の仕方がマズい事によって引き起こされています。残念ながら、“親の躾が悪い”と罵られるのは、ある意味“無理のない話”かと思いますが、これは保護者の躾だけの問題ではなく、単に発達障害に関して“無関心”であるが故に誤解を招いてる所があります。社会全般が身障者に対して、あるいは、HIV感染者に対して“共生”するという意識を持つ様に啓発する事と同じで、自閉症を含めた脳機能の不具合からの発達障害に対して、もっと広く理解する必要があります。むしろ、精神疾患発達障害を言い訳にして、重篤な事件を起こした事に対する責任逃れを考える人は、同類の障害を持つ人々を侮辱してるのと同じです。
グ:何気にヲタクを“同類”にしただろw マーティ…
テ:おや、そうでした?
ア:要は、犯罪をやる者には身障も発達障害も、心的障害も関係無いって事だよな。だけど、それを理由に健常者が侮蔑する権利はない…同じ事は、健常者の方が大多数でやってる訳であって、むしろそっちの方がタチが悪いって事だな。
テ:そうです。報道機関は、とにかく情報を断片的に、しかも利用者に対して興味をそそる様に、真実を捩じ曲げて“既成事実”を作り上げがちです。よく考えてください、窃盗やコンビニ強盗で、健常者が“犯人”であったとしても、その人の事を“精神異常者”として片付けたり、あるいは氏名を伏せた事で“在日外国人だろ?”と勘繰るのは、そういった報道の弊害であり、余計な事を垂れ流しにした上で、その責任を利用者に丸投げしてる時点で、誤解が生じるのは当たり前です。
グ:だな…メディアリテラシー(報道倫理)の観点から考えて、ひとつの疾患を、さも“諸悪の根元”とばかりに叩くのは、むしろこっちの方が“精神的に異常”としか言えないぜ。本気で知的障害を持った人間と付合うのは難しくても、正しく理解してやる事で、むしろ健常者よりも優れた技術を有する事だって可能なんだぜ。要は、その付合い方を、実際の患者から“学ぶ”事も、本当は“躾”のひとつじゃねぇか?
ア:そこは俺も同意だな。一方的な感情のみで、相手を批判するのは、むしろ関係者に失礼だ。個人的な事と全体的な事、キチンとこっちで分離して、総合的に判断できる様に区切ってやってこそ、初めてスジが通るってモノだ。
テ:マスターも常々言ってますが、当事者じゃない者が、さも“俺様エラいw”な態度でモノを語る事は、たとえ第三者としての考えてあっても、それは私情でしかありません。自分がその立場であれば、どうしたら回避できたかを語ったとしても、後世に対してはともかく、現状で起きた事に対しては、第三者としての言い訳でしかありません。そこを理解した上で、それでもアスペルガー症候群を“キチガイ”と罵るのであれば、それに対して“責任”を取ってこそ、意味を成すのです。
グ:つまり、失礼な事を言った以上は、理解する為に勉強する事、そして実践する事が大事だってこった。単に謝罪会見をしたり、番組担当のアナウンサーに代弁させる事で済ませる様では、とても“知識人”とは言えねぇぜ。
ア:まったくだ…自分が知らない事に関しては、はっきりと“知らない”と答えてから話すべきだな。それに、専門家の言葉を理解できないのであれば、呼ぶべきではない。視聴者が理解できない事を、無理矢理解説してもらっても、何の意味もない…むしろ誤解が生まれるだけだ。
グ:だからこそ、いろんな専門家の言葉を、更に噛み砕いて解説できる程の知識を、情報番組を担当する者全員が、共有すべきだな。単に煽るだけが、メディアの仕事じゃねぇ…その先の“常識の更新”こそが、本来も止められてる事じゃんか。

テ:話が思わぬ方向へ行ったんで、今回はここまでにしておきます。お相手はボク、マーティと…
グ:マーグ、そして、
ア:緑壁のアッシュがお届けしました。