迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

マーグの真面目にプライオリティー 2014年10月号(自助あってこその救助の話)

マーグ(以下グ):ういーっす、マーグだぜ。
マーティ(以下テ):ども、マーティです…って、なんでマーグが仕切る訳?
グ:オマエ、こないだのアレ、解説できるか?
テ:解説って…御嶽山噴火の話?
グ:じゃなくって、有事の時の心構えってヤツ。ま…今回はその関連もあるけどな。
テ:先に、そっちの情報からお伝えします。27日の正午前に、岐阜と長野の県境にある御嶽山が突如噴火して、山頂付近に取り残された登山客が被災した件ですが、現時点で、12人の死亡が確認され、現場の山頂付近には未だ、24人の生死不明者が取り残された状態です…しかし、救助・回収作業は、現場周辺に硫化水素の濃度が一向に収まらない状況で、救助にあたってる警察や消防、自衛隊員の二次被害が懸念される為に、殆ど進んでいません。また、連絡がつかない人も多数いる模様で、1991年の長崎・雲仙普賢岳火砕流の被害を上回る規模になると予測されます。また、御嶽山から半径4km付近は硫化水素や噴煙の影響で、入山規制がかけられています。
グ:被害が甚大になってるのは、御嶽山自体が、3000m級の高山でありながら比較的整備された登山道があり、ある程度の装備さえしていれば誰でも気軽に上れる“観光地”だった事、また、週末で紅葉シーズンが始まった事によって、それを楽しむ観光客が多かった事、そして何より、予兆を掴むのが難しい水蒸気噴火である事…等の様々な要素が重なった事で、大惨事に繋がってるってこった。
テ:一部のSNSユーザーからは、先の民主党政権下で行われた“事業仕分け”のせいにしてる方がいらっしゃいますが、今回のケースは、たとえそれが原因でなかったとしても、防ぎ様のない事態だった事だけは確かです。
グ:そう、こればっかは、予測機器でデータを取ったからといっても、実際にそうだという確証を得られた訳でもなけりゃ、ド素人に危険度を知らせる数値や予兆のデータを出しても、信じてもらえなかったら無意味な話だ。
テ:本題に入る前に、犠牲になった方々には哀悼の意を、怪我を負われた方、また、無事に下山できて助かった方々にはお見舞い申し上げます。

グ:さて、ここからが本題…自然災害に巻き込まれない様にするには、防災の為の取り組みが何よりも不可欠だが、それでもいつ、ドコで、ナニが起きるかわからないのが“自然災害”の脅威ってヤツだ。そこで、ナニが起きても良い様に、自分自身でやっておく被災時の対応策…いわゆる“自助”ってヤツについて説明していくぜ。
テ:マーグがやるという事は、基本的にはアウトドアでの対処法がメインって事で良いかな?
グ:あのなぁ…アウトドアの基本定義は、レジャー(娯楽)としての要素であって、あくまで“楽しむ”事がメインだ。御嶽の被災者も、その殆どが“有事”の備えナシの状態で被災してる訳だ。あくまで、最低限度のサバイバルこそが、自助としての知恵であり、行動の基本となる。だから、とっさの時にどうするかで、自分自身の生死が分かれる事になるんだぜ。
テ:でも、登山をするなら、最低限度の食料や水、ビバークの準備は…
グ:(ノ厳`)アチャー そこからかよ?
テ:…え?(-政-;)
グ:確かに…食料や飲料、更には非常用の様々な道具は準備してても、使いこなせないと意味がない。また、今回の様な火山噴火に関して言えば、通常の登山に、誰が防毒マスクを持って行くか?
テ:え、そっち方向?
グ:当たり前だろ?大体、重軽傷者の殆どが、火山性の熱風や火山灰によって呼吸器をやられてるんだぜ?あと、ヘルメットを着用してる観光客がいるか?
テ:…言われてみれば。
グ:だろ?基本的な事を言えば、そこまで重装備して、登る様な山じゃなかったからこそ、殆どの被災者は山小屋に逃げたんだ。だけど、山小屋だって、噴煙や噴石を完璧に避けられる代物じゃねぇし、水蒸気と言えど100℃以上の高温を長時間、遮断できてた訳じゃねぇ。山小屋に避難できずに犠牲になってる人達の多くは、高速で飛んできた噴石が頭や背中等に当たって動けなくなった挙げ句、高温の水蒸気で蒸された上に、肺や気管に火傷を負って、逃げ切れなかったんだぜ。
テ:聴くだけでも“生き地獄”そのものだよ…
グ:海難事故でもそうだが、ライフジャケットを付けて遊漁船に乗ってるならまだしも、通常の海水浴で、そんなモン、付けてる訳ねぇだろ?何も知らずに離岸流に飲み込まれたら、一発で沖に流され溺死確定だからな。だからこそ、常からの危機意識として、“自助の心構え”ってのが必要になるってこった。
テ:じゃあ、その“心構え”ってどうすれば良いんだよ?
グ:基本は三つ。ひとつは、無理をしない事、二つ目は何よりも“逃げる”事を念頭に置け、そして最後は、最悪の事態になっても“必ず帰る”手立てをしておく事…この三つだ。
テ:最初のは何となくわかるけど…あとの二つがちょっと、理解しにくいなぁ…
グ:ぶっちゃけ論で言えば、二つ目は、生き残る為の手段は形振り構っていられねぇって事、三つ目は、仮に逃げ切れねぇで死んだとしても、遺族の下へすぐに“帰れる”様に身元が分かる何かを持っておけって事。
テ:え…て事は、死ぬ前提?
グ:あのなぁ…最初の“無理をしない”時点で、ある程度の危機は回避できるが、それでもダメだった時は、とにかく現場から“逃げる”事が命を守る事になる。だが、それが“裏目”になって命を落としたとしても、その亡がらを回収しにきた者に対して、連絡を待つ家族(遺族)に連絡と身元確認をスムーズに行える様に、常に自分である“証拠”を持ってろって事。29年前の日航ジャンボ機墜落事故でも、焼け焦げた挙げ句、バラバラになった遺体の身元確認を行う際に手掛かりになったのは、犠牲になった搭乗者が、普段から身に付けてた指輪やネックレス、神社のお守り等の、平時なら気にならない様なチャームの類だったんだ。
テ:つまり、最悪の事態になっても、自分の所在を知らせる最終手段は、家族が知ってる自分の“日常品”って事か。
グ:もちろん、免許や保健証といった、公的な身分証明書があるならベストだが、それは逆に言えば偽造されやすい…だから、自分が常に持っている持ち物を、家族に教えておく事も、ひとつの“自助”になるってこった。
テ:でも、それってあくまで“最悪の事態”に備えた分だろ?
グ:逃げる事に関しては、いろんなトコで解説があるから割愛するが、ともかく、自分が誰にも頼らずに災害から逃れる為には、それに似合うだけの備えを常に、自分に言い聞かせる事だ。まして、公助ができる範囲なんてのは、あくまで救援の為の人材を派遣する事と、その為の機材を投入する事ぐらいだ。そして、救助される前提は、あくまで“生存者”である事…その為に自分にできる様々な技能や知恵は、土壇場で使えなかったら意味がねぇ。一人で無理だと思った時点で協力を求めるのは恥でもなければ、寧ろ、他者を助ける力になる。多くの命を自然の驚異に消されたくなかったら、まず、自分ができる範囲での“悪足掻き”をしろ。それでダメなら、素直に“助けて!!”と叫べ。本気で自分が助かりたいなら、自分自身の理念や思想は、一時的にも捨てておけ。差し伸べる手が自分にとって怨敵であっても、“救いたい”一心で動いている以上、無碍に払う道理がどこにある?本気でそれが嫌なら、死ぬ事を選べ。自分を捨て置く様に言えば、他の要救護者を救う事にもなる。どっちにしたって、自分自身が自分の掲げた理念や思想の為に命を張れるなら、答えは自ずと見えてくる。中途半端な考えだけで、自分の命を守れるハズがない。だからこそ、自分でできる“自助”の心構えを持てってこった。
テ:いろんな意味で、精神論的な話になっちゃってるけど、言わんとする事は、要するに、有事の際は、単に待ってるだけじゃなくって、自分自身の危機管理をしっかりしろって事だよね。
グ:ま、そういうこった。