迷馬の隠れ家 はてな本館

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4年後を見越した“御譲位”の話…

さて…来月開幕のパラリンピックが控えてるとはいえ、世界中が大はしゃぎするスポーツの祭典が終了した訳だが、ここで、今月初め頃に天皇陛下が“御譲位”を示唆した理由を考えてみようと思う。あ、“御譲位”ってのは生前退位を意味する言葉で、本来の日本語での表現として正しい言葉…すなわち、天皇陛下が自らの意思で皇太子や他の皇族に“天皇”としての地位を譲ることを意味する言葉である。ま、亡くなられることを“崩御”って表現するのと同じなんだが…
閑話休題、では、なんで天皇陛下が“御譲位”を考えられているかを考察するうえで、必要なファクターを揃えるとこうなる…

1:昭和天皇の晩年がどうだったか、そして崩御による影響がどういうモノだったかを自らが経験されている。

2:自身が天皇へ即位した歳が50代後半、すでに昭和天皇と同じくらいの歳になってることを踏まえると、体力的にしんどい。

3:せっかく世界中が楽しみにしてるイベントを、自分のせいで台無しにするのは忍びない。

つまり、4年後まで“天皇”として生きてる確率を考えると、今の皇太子に丸投げしておいた方が、万一の事態に対応できると踏んだと考えていい…要は、4年後の日本で行われるオリンピックに差し障りがないよう、国民に、そして世界中のアスリート達に配慮してのご意向だと承れば合点がつく。事実、天皇崩御という経験がわからない世代が、すでに成人年齢に達してることを考えると、この先に予測される崩御までのドタバタを、ご自身としては“みっともない”とお考えの上、かつ、それによる自粛ムードは、経済や産業、観光事業に深刻なダメージを与えかねないと察してるからこそ、日本国憲法上の規定を破ってまでも、どうにかしたい訳である。ここ、一番重要…日本国憲法の一番初めに記載されていること(序文除く)は、天皇に関する項目であり、そこには天皇の“一身上の都合による御譲位”は“憲法違反”であることが記載されている。(単に皇室典範を弄ればいいてモンじゃなく、皇室典範の改正に自らが意見を発したり、皇室典範上の規定を一切無視すること自体、実は憲法違反となる…)つまり、天皇陛下は、崩御されるまで“天皇”のままでなければいけないのが、現行の憲法及び皇室典範の“欠点”でもあるのだ。
ぶっちゃけ話をすれば、体調面で不安を抱える80過ぎの高齢者にとって、4年という時間は、待つには“長過ぎる”のだ…ちょっとした事が因で、要介護者になりかねない状況下において、健全なままで過ごせるとは限らない。だからこそ、とっとと後継者に譲った上で、自分自身がどうなっても後腐れがないように、整理しておきたい訳である。4年後のオリンピックを、本当の意味で楽しみにされているのは、天皇陛下自身である。しかし…4年後までご自身が健全な状態で居られるとは限らないし、いつ崩御してもおかしくない状況下で東京でオリンピックが行われること自体、世界中に大迷惑をかけるという思いがある。だからこその“御譲位”だとすれば、それは、せっかくの“楽しみ”を自分自身のせいで台無しにするのは忍びないという、今の天皇だからこその“感情”なのである。もっと言えば、昭和天皇の最晩年は、いつどうなるかわからないことを踏まえた上でのイベント自粛のオンパレードで、数多くの地方イベントやコンサートなどが相次いでキャンセルになり、その影響で観光業界が青色吐息になった。さらに、メディアも事ある毎に昭和天皇の容体を報じ、バラエティー番組やスポーツ中継を白けさせた…その経験があるからこそ、憲法皇室典範を改正して、できるだけ早いタイミングで、隠居したいだけの話である。隠居して憲法や法律の配下から外れれば、4年後までにどうなったとしても、そして、広く万民に迷惑をかけない状態でいれば、いろんな意味で“みんなと楽しむ”ことができる。
話は逸れるが、ここんトコの考えは、オイラの祖母もそうだった…生前、選挙当日に投票所まで行ける体力が維持できるとは限らないとして、晩年は期日前投票がもっぱらだった。オイラもその意見には同意だった…が、30年ほど前までの公選法において、期日前(不在者)投票の条件が、投票日当日における明確な事情(仕事とか、冠婚葬祭とか…)がない限りは認められなかったこともあり、また、投票時に委任状(投票済みであることと選管に一任したという一筆書き)への記入及び捺印が義務付けられていたため、コレが非常にマンドクセだった。これが改定されたのが、オイラが選挙権を得て翌年ぐらいである。投票率の低下はともかく、生活様式が急変し、選挙当日に戸籍所在地へ戻れない単身赴任者や、せっかくの休日に選挙のせいで予定してたイベントに参加できないという若年層に配慮し、現行のルール(選挙ハガキを役場などの期日前投票会場まで持って行けば、投票可能)に変更になったのである。
元に戻せば、天皇陛下は国民を思うからこそ“御譲位”という選択を行い、それができるよう政府や宮内庁に意見した訳である。但し、この行為自体、本来であれば憲法が規定する“天皇の政治干渉”に抵触する行為であり、そこまでしないとヤバいほど、ご自身の体力に自信が無い事を吐露したまでにすぎない。いつまでも9条が蔑ろになるのではとウダウダ言ってる時点で、一番イライラしてるのは、天皇陛下自身だということに気づいて欲しい…4年後、世界一“クールな開会式”を見たいと思うのであれば。