子供の“いじめ”は“親”のせい?!

神奈川と新潟で起きた、福島からの避難児童に対する“いじめ”の問題…先に結論を言えば、これは加害児童の“親”の責任であり、教育現場の只中にある“教員”自身の学の無さが露呈したまでに過ぎない話です。言い方を変えれば、エエ歳した大人がガキ相手に、余計なことを言ったばっかりに、何の非もない被害児童やその家族に対する人権侵害が、子供中心に蔓延した…ってことだ。つまり、福島の原発事故で避難を余儀なくした家族に対し、東電からの賠償金や国からの厚遇に対して、必要最低限度の“代償”であることを、誰一人として純真無垢なガキに教えていない時点で、いじめの標的になること自体確定なのであり、そうならないためには、大人自身が子供相手に“真実”をキチンと話す時間と手間を惜しんではいけないのであって、そこんトコができてない以上、同様の被害は絶対に全国で起きている。あえて言えば、71年前の広島と長崎に落ちた原爆から避難した同県民は、その多くが“ピカが感染る”という途方も無い誤解や偏見が因で、散々苦労したのはいうまでも無いし、O-157による集団食中毒で大阪がパニックになった際も、大阪府民…特に堺市民が出張や旅行で他府県に行けば“バイ菌”呼ばわりで避けられたことがある。これとて、重篤な“人権侵害”であり、事実確認を怠った人々による風説の伝播で被害を受けた人が多かったのはいうまでも無い。
これ、何も震災や疫病蔓延に限った話ではなく、些細なことでも必ず“いじめ”の根拠となる。生活が貧困であることや、諸般の事情で血縁者の下を離れたこと、身体にハンデ(難病含む)があること、他所から仕事の都合で移り住んだこと…様々な事情で、たまたま“そこ”にいるだけで叩かれることなんて、いくらでもある。当然、宗教絡みの嫌がらせや、支持政党に関する強要もある訳で、そういった大人の“エグい部分”を見てる子供にとって、自分の親がその行為を“正当化”した時点で、同級生の“敵”を駆逐しようと攻撃的になるのは必然の行為である。ゆえに、実害にあった子供を守ろう、あるいは救済しようと思うのであれば、当然だが、当事者である加害児童を責めたトコで、何の意味もないどころか、余計にいじめを助長する結果になる。ゆえに、本当の救いを被害児童に対して施すには、時として、酷い結果になることを覚悟した上でやらなければいけない。当然、加害者のみならず、周囲の傍観者も“同罪”であって、自分自身に被害がなくても、“目に見えない恨み”そのものは、降りしきる雪のようにドンドン積もって来ることになる。それが“ある日”…しかも突発的に噴出したら、とてもじゃないが自分一人でどうにでもなるようなモノではないほどの災難となって降りかかることになる。
日蓮仏法における“転重経授”の理とは、そういう部分の不条理、理不尽な状況を意味してるトコがあり、それゆえの“覚悟”を決めて行動することが肝となる。ぶっちゃけ論で言えば、今まで“誰か”によって庇われてきたことに対する“代償”を、自分自身で清算することを決断した時点で、様々な厄災が降りかかるのは必然のことであり、それを避けたい一心で“誰か”を傷つけ、場合によっては命を奪ってきたのであれば、その分だけの宿業が、現在だけでなく未来にまで響くことになる…という訳だ。この理に順えば、今現在相手をバカにして見下すことでしか自分の憂さを晴らせないと思ってる以上は、故に、自分より“弱い立場”の人に依存し、それをいじめること以外できなくなるという宿業”に駈られる…という状況になる訳で、その“世界”こそが理想ならば、それが破られた時点で、今までの居場所も、価値観も、何もかもが他人によって“否定”され、奪われる未来しか訪れないことが予期できる。逆に、自らの弱さと向き合い、正面から立ち向かってる人は、想像以上の結果を生み出す未来がある。こういう部分を子供時代から教えたとしても、理解できるまでに時間はかかるし、結局ラクな方へと流され、歳を負えば、その虚無感故に迷い、苦しむこととなる。
話を戻せば、“特別な存在”と思うからこそ差別が起きるのは当然だが、それがそのまま人生までも決定づけるモノじゃないのは、人それぞれの生き様があるからこその話。自分と“同じ”じゃないことを認めないのであれば、他人もまた、自己の“価値観”による判断で批判するのは当然の理だし、本拠地でゲームやってるのに敵陣のチームに配慮して…なんてのは本来だったら“おかしい”と批判が出て当然のこと。当事者自身、相手を対等なる存在として扱うのであれば、遠慮せずにやり合えばいいだけの話であり、そこに第三者が入る必要もない。ただ…子供のいじめ問題の根幹は、どこまでいっても“親の責任”であり、そして周囲の大人全体の“責任”でもある。世の中がこんなにも荒んでるのは、自分自身で責任を負わずに蔑ろにしてきたツケです…大人なら、子供の前でみっともない事をしたらアカン、正しい事を“正しい”と言える姿を見せないと、この問題は解決しません。