迷馬の隠れ家 はてな本館

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キンコン西野がやったことに関する、類似の話w

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

この本に関して、様々な意見(というか、批判)が出てる訳だが、当事者のブログをよく読んで、その文底にある“問題”ってのを考えると、これは今から40年ほど前にフジテレビが“やらかした”事と同じという風に捉えられても仕方ないな…と思わざる得ない。もちろん、時代背景や手法は大きく異なるのだが、根本的な“問題”ってのは、何一つ変わっちゃいないって事がよくわかる。やってるモンにとっちゃ慈善のつもりだろうけど、エンドユーザーからしたら、誤解を招くのも無理ない話かと思うし、中には欲ボケして自滅した事例があって、そこんトコを説明しないと、全くもって話が拗れるだけである。
まず先に、この本の“制作費”はクラウドファンディング形式で出資を募って行ってるし、しかも参加アーティスト(イラストレーター)には、既に制作に必要な賃金を“支払って”いる状態であり、あくまで“原著作”がキンコン西野なだけであり、そこんトコを出版社も参加イラストレーターも了解した上で、Web上での“無料公開”に踏み切っている…というだけの話である。まして、絵本としてはかなりの高額で、本来であれば購読対象となる小学生までの児童の“お小遣い”では買えないほどの代物である。価格設定自体が既に“炎上”の要素満点な上に、絵を描いてるのがキンコン西野本人ではないという、ある意味“詐欺まがい”な作品なのはいうまでもない…が、ここで間違えてはいけないのは、参加したイラストレーターには、既に分相応と思われるギャランティー(作成参加費)が支払われている事であるのと、出版にかかるそのほかの費用を差し引いた印税は、出版社と西野自身に入るモノの、どんなに売れても“赤字”になる可能性の方が高いって事である。つまり、殆ど“売って損”な状態にしてあるにも関わらず、現時点でAmazonでの本の売れ行き総合1位を走っている。この現象…何かに似てませんか?感のいい人なら、先ほど“フジテレビがやらかした事”という表現でピンときたかと思いますが、あの名曲“およげ!たいやきくん”における印税をめぐる騒動が、結果として一人の歌手の引退を招いた…という“既成事実”があるのを覚えてると、今回の件と“どこが違う”のかがよくわかるかと思います。
今でも燦然と輝く記録がある“およげ!たいやきくん”…300万枚近いセールスを誇り、所謂“ポンキッキブランド”の楽曲としてはメガヒットとなり、70年代後半における社会現象ともなった、ある意味日本の社会の“病巣”を比喩したこの曲。しかし、この曲を歌った子門真人には、実は一銭もこの曲の印税は入ってこなかった…その著作管理はフジテレビの子会社であるポニーキャニオンが一切を握っていて、子門さんに支払われたのは、楽曲制作時のギャラだけだったと言われている。(一部諸説あり)ここで誤解してはいけないのは、ポニキャニは“放映番組の楽曲”という名目で管理してる訳であり、言って見れば楽曲をポンキッキで使用するために“買い取った”としてる訳である。そのため、番組内で掛ける分に関しては、著作権そのものがポニキャニの“所有物”としてフジテレビでは扱われた訳であり、それが巡り巡って他局でも使われると、その収益は絶大なモノになり、ポニキャニ経由でポンキッキの制作費がガッポリ…ってなったのである。しかし、著作権がポニキャニに移ってしまった事が原因で、本来であればその“おこぼれ”を受け取る事ができたハズの子門さんには、何も入ってこなかった…にもかかわらず、他局では“時の人”と担ぎ出され、当人に変な錯覚を起こさせたのである。そしてブームが沈静化すると、残されたのは楽曲の“買取契約”によるギャラのみで、その後彼はひっそりと芸能界から姿を消したのである。仮に、その契約を破棄して、著作権を当人に戻していたなら、JAMプロジェクトなどに参加して、あの歌声を披露してたかもしれないが、当時としては印税で喰えるほど、童謡唱歌やアニソンが売れることなどあり得なかった事であり、また、歌謡曲でも演歌が主流で、現在のようなJ-POP系がそこまで流行らなかった時代に、メガヒットソングになるとは誰も予想できなかった…だから、万一ポンキッキブランドで売れなかった時の“保証”として、子供向け楽曲の買取をポンキッキの名の下で行ってた訳であり、その一曲として“およげ!たいやきくん”があったまでに過ぎないのである。
ここが運命の分かれ道で、商売として成功が確約できなくても、“制作手数料”としてギャラを払うか、あくまで印税収入を目当てに商売するかの差であり、以前も説明したが、スポンサー無しでは喰ってけない芸術家にとって、目先の収益に執着するか、将来的に仕事が増えて大成すると信じられるかの差でもあり、その契約先が宗教団体になるか、芸事の才能が皆無な富豪になるかの話であり、商売が上手い芸人は、本業よりも副業で稼ぐほうがいいと思った時点で、芸能界から足を洗う。逆に、その“才能”を殺してまでも芸事に邁進できる人でなければ、芸事でメシを喰うことなど不可能と言っていい。芸事に才覚ある富豪は、それこそ、埼玉県財界人チャリティー歌謡祭よろしくな活動をいつでもやってるし、しかも収益度返して“自分を売る”ことに没頭できる。オイラが自分で作ったイラストを、iPhoneiPadの待ち受けにしてるのは、他人の作成したキャラを使うよりも、“自分の所有物”としての認識を高めるための手段であり、“他人と違う”からこそ“自分オリジナル”のデザインしたモノを持つことも、一つのプライドである。それを“恥”とするか、“誇り”とするかは自分次第ではないですかw
今回のケース、“同じ過ち”にならないようにしようと思えば、この“出版から日が浅いのに全編無料配信”という判断は、ある意味“正しい”と思う。逆に、“著名人がタダでやってるから、他もタダでやれ”というバカは、そんなの“自分で作れば?”と言い返すw だって自分が作ったモノだったら、それに似合う費用がどれだけだったかわかるから…技術料をタダにするなら、それ“以外”の部分でどれだけ掛かってるかがわかると、全部“タダ”にするってのが、いかに大変な犠牲を払う行為であるかを身をもって知ることになるから。