迷馬の隠れ家 はてな本館

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謎学ラジ関探偵局(その3:レコード“倉庫”の謎)

先週の“名曲ラジオアワー”放送中に、この番組がナイターシーズン中の継続放送が決定したという、喜ばしいは発表がありました。ただ、他の番組との兼ね合いで、放送時間が短縮するとのこと。ま、今回の春改編は、今まで放送されていた、月〜木の早朝から夕方までの番組がすべて刷新し、ナイター中継も火〜土の週5日間のみ。日曜日は野球中継を行わないという思いきった編成になりました。詳しいことは後日CRKホムペで、改編後のタイムテーブルが公表されると思うんで、それを参考にしてもらうとして…。(でも、今回のオイラの企画タイトルの“元ネタ”番組が終了するとは…トホホorz)
今回は、CRKの“宝物”ともいえる、須磨のレコード倉庫についての話です。“倉庫”と書いたのは、実は関西の放送局にとっても、CRK保有するレコードは、時折貸し出されることがあるんです。もちろん、各放送局にも“レコード室”という名のCDやレコードのストックスペースがあるんですが、大概のトコは新譜が次々と入って来るため、2〜3年ぐらいで“廃棄”されてしまうんです。ところが、CRKでは物持ちが良いのか、どんなに古い“名盤”でも(あの震災で、いくつかは泣く泣く廃棄したらしいんだが…)揃っているというのです。

そもそも“電リクのラジ関”ともいわれた放送局だけに、当然ながらリスナーのリクエストに対応しきれるだけのレコードを保有していたのはいうまでもないのですが、その殆どが“洋楽”系(特にジャズ)なんです。これは、神戸の土地柄が背景にあります。そう、明治以降神戸港は国際貿易港として発展し、それに伴い西洋の文化をいち早く取り入れた歴史があります。また、外国人(特に貿易関係者)が多く住んでいた事もあって、シャンソンやクラシック、ジャズ、R&Bなどを好んで聞く事が多く、それを聞いてた地元の人々も、その音楽の良さを知っていたのでしょう。ゆえに、CRKが開局した頃の“目玉”として、洋楽を中心とした電話リクエスト番組がクリスマス時期に放送されたのです。
徐々にリスナーが増えて、“神戸の誇れるラジオ局”として軌道に乗りだした時に問題となったのが、リスナーをいかに飽きさせずに聞かせられるかでした。財政的にゆとりのある(てか、大手レコード会社と太いパイプがあった)大阪の放送局みたいに次々と新譜を入れたり、アナウンサーやタレントのトークだけで番組ができる様な環境ではなかったので(ついでに、阪神戦がABCに牛耳られたんで)、なるだけ他局との差別化を図る為に、電リクで勝負していったのである。(ここらの経緯は、まとめサイト第2章参照)
こうなってしまうと、問題となるのはレコードの種類。次々と新譜がレコード会社から持ち込まれるのは良いが、流行歌で十分な大阪のリスナーと違って、洋楽に五月蝿い神戸人の耳に合う音楽を保有する為には、日本のレコード会社では到底無理。だから洋楽に精通した“専門家”がレコードを個人輸入して持ち込むケースもあった。(実は大橋巨泉も、その昔は“ジャズ評論家”として活躍していたんだが、東京ではあまり相手されなかった事もあって、神戸のリスナーに活路を開いた経緯がある。ここらへんの話は、“ラジオ関西50年史”を一読されたし。)
TVの放送免許取得を目論んで、後々TV用スタジオとして拡張する予定だった場所は、結果的にはこういった名盤(迷盤?)を保管する為の大きなレコード倉庫に化けたのである。そしてそれ故に、関西の放送局すべての“レコード室”としての役目を果たす様になったのである。現在でも、自前のレコード室にない音源に関しては、必ずといっていい程CRKに問い合わせが回る。(以前公開した“タイムズメリケン”での展示していたレコードの写真が、それを物語っている。)また、“青春ラジメニア”のリクエストルール“一度番組で掛かった曲は、半年以上経過しないとリクエスト不可”が成り立つのも、そして、“名曲ラジオアワー”で毎週同じ曲が被らずに放送できるのも、このレコード倉庫故に話である。ま、“電リクが先か、レコード保有数が先か”みたいな部分があるのは確かだが…。
という訳で、次回は“電リク”の謎についてです。