迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

正月は味醂を呑もう?!

タイトルを見て、“とうとう迷馬は正月ボケをカマしたか?!”とおっしゃるそこのア・ナ・タ。実はコレ、“お屠蘇”の話です。元来コレは、晴れの日…特に新春の祝いとして飲む“薬酒”を意味しており、一年間無病息災であります様にと願って、家族全員が飲む習わしだったとか。
で、この材料として、子供でも飲みやすい様にと考えて、日本酒ではなく味醂を使う訳なんです。“本味醂”と表記されている味醂は、元々アルコール度数が高く、旧来は酒屋でしか手に入りませんでした。(現在スーパーでも手軽に買える様になったのは、規制緩和で、店舗が酒販免許を取得していれば販売が可能になったから。ちなみに、某メーカーとかで出てる“ほん●り”とか“●味料”ってヤツは、厳密にいうと“味醂風調味料”という分類で、味醂に似てるが“別物”であるw)で、コレに生姜やニッキ等の和漢薬を漬込み、その風味を味醂に移したのが“お屠蘇”という訳です。ですから、見た目や香りが通常の清酒(日本酒)みたいなのと違い、どちらかというと“飴色をした養●酒”だと思ってくれれば結構で、しかもかなりトロみがあります。しかもなにげに甘ったるい(元々味醂ですからw)んで、ガバガバ飲める様なモンではありません。

さて、こういった“薬酒”の類いは日本だけでなく、お酒を醸造している国であればドコでもある訳だが、ちょっと用途や使うタイミングが違ってたりするのである。東欧で有名な“アブサン”っていうリキュールは、元々刺草を白ワイン(だったと思う)に漬込んだヤツだし、ウォッカ系の酒にも“ズブロッカ”ってヤツは牧草(確かチモシー)が漬かってるし、台湾や中国だと蛇やイモリを漬込んだモノもあります。いずれも用途としては滋養強壮や食欲増進で、飲む時はお猪口に1杯程度、あるいはカクテルの風味付け(特に“アブサン”はビールと相性が良いらしい)に使う程度です。もちろん、“調味料”としての役目もあるんで、コレを使って魚や肉の下ごしらえ(臭み消し)に使うケースもあります。(ハーブ系の薬酒は特に)そういった考えでいえば、梅酒や花梨酒も咳止めや疲労回復の効果がある“薬酒”と言えるでしょう。
でも、いくら“お屠蘇”といえども、味醂に含まれる実際のアルコール度数はビール(5%)以上ありますんで、クルマを運転する方やアルコールが弱い体質(特に肝臓が弱いヤツ)が飲むのは、縁起物とはいえ控えた方が身のためですw