迷馬の隠れ家 はてな本館

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ラジオの未来は…番外編

さて、今日は以前のネタで、質問があった“電波障害”とその対処法をちょっとお答えしようという訳である。質問者はどちらも、中波(AM)ラジオが受信しづらいという事ですが、対処法は全然違います。てのも、前者の場合はいつから聞こえなくなったかによっては、国や自治体を相手取った裁判に持ち込む事も可能ですが、後者の場合は立地条件の兼ね合いから、ちょっとした工夫でどうにでもなる部分だと思われます。どちらにしても、まずはラジオ受信機の“置き場所”を考える事から話を進めた方が良いでしょう。

基本的に、ポケットラジオやラジカセ等の中波アンテナは、大凡の場合はカーボンバー(炭素棒に銅線をコイル状に巻いた物)アンテナを使用してます。(一部機種には、小型のコイルループアンテナを使ってるのもある様ですが…)ミニコンポだと、メインアンテナは外付けの小型ループアンテナになっています。また、中波はガラスや透明アクリル板は貫通するものの、鉄骨や耐火ボード等金属やコンクリートだと通過できないという性質があります。ちなみに、短波は太陽の黒点運動に左右されやすく、FM(超短波)は山間をすり抜ける性質があります。また、春先から梅雨明けまでの期間中は、成層圏の電磁層が不安定になる事があり、時折“Eスポ”と呼ばれる現象が発生し、他県のFMが受信できたという事例がしばしば発生します。コレを踏まえた上で説明すると、このアンテナの位置が悪い場合、いくら送信出力が強くても受信できない場合があります。また、今まで据え置きでクリアに受信できたのに急に雑音が増えた場合、アンテナ周辺の環境変化(建物やエアコンの有無等)に対応し切れてない可能性があります。
まずは、簡単な方法として、ラジオを持ったまま部屋や家中をあちこち歩き回ってください。恐らく受信しやすい場所とそうじゃない場所があるハズです。また、カーボンバーアンテナは、バーの両端では電波を拾えない性質があるんで、同じ場所でもラジオの向きを変える事で解決する場合があります。基本的には、エアコン室外機が設置されてない窓側がベストで、自分の位置から聞きたい放送局の送信所がある方角にアンテナの位置を向ける事が条件となります。実例でいうと、CRKを東京で受信したい場合、ラジオを置く方角は西側の窓際が理想的で、それが無理な場合は窓側でラジオの向きを調整します。通常はコレで解決します。(但し、名古屋以遠では夜間のみ有効な方法です。)
次に使いたいのは“補助アンテナ”ってヤツで、ラジオマニアなら知ってる方法です。部屋を移動したくない、あるいは、もう少しクリアに受信したい場合に用いる機材で、マニアの方なら自作の補助アンテナを作って受信感度を上げる方もいます。ま、この分野に関しては、オイラよりも詳しい方に説明してもらうとして、あくまでもアンテナ感度を上げるのが目的であって、使いこなすためには若干経験を積まなければなりません。
で、“最終手段”ってのが、CATVや有線放送と契約を結ぶ事です。つまり、CSやBSと同じ様にCATVや有線が持ってるアンテナからサイマル(再送信)放送を行ってもらう方法ですが、コレばっかりはある意味“反則技”ってヤツで、しかも地元の放送局限定になるケースが殆どです。一部のFM局…特にNFL(ジャパンFMリーグ)系列は、こういうサイマル放送に力点を置いてるトコもあります。また、ラジオNIKKEIも“ラジオたんぱ”だった頃に、CSデジタルラジオ放送をやってた時代があり、一部リスナーには好評だったのですが、天候に左右されやすく受信機が携帯できない(専用機がなかった)ため、数年で“廃止”になった経緯があります。(それが原因で…ゲホガホ)
コレ等ですら解決しない場合は、他の原因も考えられます。まず考えられるのは、時間帯。昼間と夜では事情が違います。昼間は中波を反射する性質を持ってるE層の前に太陽光によって現れるD層という電磁波を吸収する性質を持った部分が出てきます。コレの加減で昼間は地元の放送局だけが受信できて、夜になると他局と混信するという現象を引き起こす訳です。
もう一つは、建築物。以前にも説明したが、CRKは送信所が岩屋では明石海峡大橋開通後に電波障害を起こす(橋脚に阻まれて遠くまで電波が届かない等)と考えられてたため、現在の東浦に移動させた経緯があり、コレと同じ現象がリスナーサイドでも発生した可能性があるという訳です。(明石でKBS京都が受信しにくい原因は恐らく、近くにMBSの周波数があり、送信所もMBSの高石ラジオ送信所の方がKBS京都のラジオ送信所よりも近いからだと思われますが…。)