迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

My favorite Contents vol.10(その伝説は大阪から始まったw)



現在ではすっかり定着している“中継”形態の放送…いわゆる“ロケバラ”ってヤツ。現在でもオイラが把握してる範疇では、NHKの“ひるブラ”とか、日テレの“火曜サプライズ”、ABCの“このへんトラベラー”や“せのぶら”、KTVの“よ〜いドン”の『となりの人間国宝さん』や“冒険チュートリアル”等…生中継や収録の違いはあれど、すべて共通しているのは、取材中の突発的な“脱線行為”である。(もちろん、実際は裏に台本や関係各所への打ち合わせがあり、それに則った取材…って事で放送されている訳だが。)だが、これらの番組には、その礎となった番組がある。それが80年代後半のMBSにおける、“あどラン”と並び称された伝説の番組“夜はクネクネ”である。久々にこのシリーズの更新な訳だが、今回は、この番組が与えた“ロケバラ”系番組の功罪について、オイラなりに分析しようと思う。

今から28年前の1983年…つまり、“あどラン”が放送開始になる1年ぐらい前、MBSでは、ちょっと変わった深夜のテレビ番組を制作した。それは、角アナとあのねのねが事実上の休眠状態になっていた原田伸郎がコンビを組み、関西の街を何気なくブラブラしながら、ロケ先の視聴者に話しかけていく…完全ノープラン&フリースタイル形式のロケ番組、それが“夜はクネクネ”通称“夜クネ”である。ま、当初は金曜の深夜だったのだが、ABCが“探偵ナイトスクープ”を放送開始すると、視聴率の加減と、タレントの都合(サブで入ってたトミーズ雅が、同じ時間に他局で出演してた為)で火曜日に放送時間を変更する訳である。
この番組の成功の影には、二人の“ラジオスター”が街をフラリと散策しながら、しかも無計画に動くモンだから、その都度取材クルーは振り回される訳である。しかも当時は、収録機器自体が許容量のワリにデカいという状況である。故にロケバラをするにしても、その取材クルーの数はハンパない状況であった。(当時、いわゆる“川口洋探検隊”シリーズが流行してた事を考えると、その取材方法も大げさだったのは、想像できると思うw)その、普段の何気ない風景に、ある日、フラリと有名人が現れて交流するというスタイルが、関西では大ウケした訳である。
しかし、この“方程式”はさっきも出てきた“探偵ナイトスクープ”のロケ方式(視聴者の“依頼”にタレント込みでロケする方法)にお株を奪われて、あえなく崩壊する事となる。しかし、ここで終わるMBSではないw “夜クネ”形式を進化させて、更にバラエティー番組としての地位を高めるべく放ったのが“なにはともあれ赤井英和”って番組。形式こそ“夜クネ”に近いが、ここに“天の声”…というより、“神のツッコミw”を導入した訳である。ロケそのものは赤井英和と高校の後輩である和泉修が“釘田修吉”としてコンビを組み、彼等の行動に適当にツッコミナレーション(?!)を入れた訳である。(担当は三好俊行アナ)ただ、この番組自身、番組そのものの方向性を見失って、結局“夜クネ”程長続きはしなかったのは、MBSマニアなら周知の部分であるw
しかし、この“ロケバラ”のスタイルは、後々東京でトンでもない“進化”を遂げる訳である。そう、日テレの“進め!電波少年”である。基本的には、“天才たけしの元気が出るテレビ”の深夜版…といったトコだが、海外ロケネタが多く、そこから売れない若手の“登竜門”的な番組へと進化した訳である。ただ、放送開始時が丁度バブル真っ盛りであり、しかも若手芸人の基本的人権を無視した制作内容が、後々番組の品位そのものを更にしょぼくさせてしまい、ついには番組そのものが潰される始末となった。
ところが、“ロケバラ”の進化は、東京よりも北海道の方で更なる“進化”をする事となる。そう“水曜どうでしょう”である。つまり、余計な後付けナレーションを排除し、代わりに字幕テロップで補足した事により、更に、30分という時間の制約を“翌週持ち越し”というじらし方が、視聴者を釘付けにしたのである。スタッフも最低限度の二人で、しかも家庭用ビデオだけで収録というショボさ加減も、“夜クネ”以上に手作り感一杯な状況が、却ってウケた訳である。(あのJWCシリーズで、ハリボテエレジーが異常人気する理屈と一緒で、見た目のショボさとオチが見えてるくだらなさが、却って笑いのツボにハマったアレであるw)
つまり、かつて角アナとのぶりんが“夜クネ”でやっていた事が、後々、鈴井貴之大泉洋の“水どう”での行動がバカ受けするというきっかけになっている…という訳である。
一方、別のベクトルから進化した番組がある。その基盤は、KTVがやっていた“ふるさとZIP探偵団”ってヤツ。コレは、毎週指定されたZIPコード(郵便番号)に該当する地域へ、しかもアポイント無しで取材するという、何とも無謀…もとい、ユニークな番組であった。コレ自体は、どっちかといえば“ナイトスクープ”と“夜クネ”を掛け合わせて“独占女の60分”みたいに取材の結果報告を、スタジオの出演者全員で楽しむ…といったスタイルであった。だが、その方向性が路線バスや鉄道にシフトすると…そう、“ぶらり途中下車の旅”や“火サプ”の『都バスでトバすぜ』みたいになる訳である。(ま、“ぶらり”の方は形式的には、“なにとも”に近いんだけど…w)どちらにしても、80年後半〜90年代の大阪発“ロケバラ”が、結果として全国ネットの“穴埋め番組”の要になっていると言って過言はない。逆に、こういった“低予算で良質な番組”を作り出すアイディアが枯渇しているから、地方局も苦しいのではなかろうか?