迷馬の隠れ家 はてな本館

旅好き・馬ぐるみゃー・オジアナヲタクな主婦の、雑多なコンテンツですw

深夜食堂“Flat River”2015 一皿目

マーグ(以下グ):フランスの次はドイツかよ。それにしても、治安云々よりも、平和過ぎて考えが浅はかなテロが頻発してるな…正直、いくら自分が支持する指導者を侮辱したからといって、暴力で成敗しようとすること自体、幼ねぇんだよ。真の大人ってのは、どんな理不尽に対しても、それを“笑って許せる”度量が必要なんだぜ。マスターでも、自分の信仰を侮辱する相手に対して、ネット上では幼い事やってバカ見てるけど、目の前で同じ事をやられても、それを笑い飛ばすんだぜ。だって、バカにしてるのは“自分自身の理想”であって、それを自分で否定してっから、結局自暴自棄になるんだぜ。
(ガラガラ…)
っと、そろそろ来ると思ったぜ。
チルト(以下筑):正月早々から、冷え込むなぁ。今日は“鏡開き”だから、餅を使ったモノを頼もうか?
グ:チルは九州だったな…じゃ、雑煮は澄ましの丸餅…しかも鶏肉入りだな。
筑:流石、リサーチだけはちゃっかりしてるな。で、マーグのトコだと、具材はどうなる?
グ:え、オレか?出身で言えば、鰹出汁の小松菜入りで、肉は入れない代わりに、青のりと削り粉を入れてたっけかな。できれば、切り餅で焼いた方がオレは好みだけど…
シン(以下シ):あ、俺の故郷でも、マーグさんと同じようなレシピだったと記憶してるんだけど…
グ:シン、オレはオマエに聞いちゃいねぇw
筑:よくよく考えてみると、西日本と東日本では、雑煮の餅が違ってるな。だが、ほとんどの地域では澄まし汁が一般的だな。
グ:関西と四国の一部では白味噌を使うし、鳥取の場合は“雑煮=ぜんざい”だからなぁ…しかも香川県は餡餅を使うんだぜ。
シ:迷馬さんが嫁いだ奈良県では、別皿にきな粉を添えてあるんですよ。なんでも、普通に白味噌の雑煮を作っておきながら、餅だけはきな粉で食べる風習があるとのことで。
グ:香川県だけじゃねぇのか、いろんな意味で“邪道”な食い方って…
筑:マーグ、その発言は取り消せ。
グ:なんでだよ?
筑:食文化と宗教は、自分と違う概念や風習であることを理由に、勝手にバカにしてはいけない。フランスやドイツの連続テロの背景にも、そういう部分が関連してるからだ。
シ:つまり、風刺のつもりでやった事でも、相手によっては侮辱行為とみなされる…という事ですか?
筑:その通りだ。ただ…目くじらを立てる程のモノであるかどうかは、個人レベルの話になるから一概には言えないが、相手の風習や礼儀作法に関して、その背景や歴史を知らずにバカにする様では、テロリストたちがやった様な行為を受けても文句は言えない。ま、大人気ない話といえばとそこまでだが、自分の“常識”をバカにされて、気分が良い者はいないだろう…それと同じことだ。
シ:…なるほど。
グ:確かに、“宗教戦争”といわれる類の諍いは、結局のところ、異文化に対する不信感や嫌疑から、さらに、ほんの一部の連中が社会に対して不埒な行為に至った事から、あらぬ誤解と偏見が生まれ、そして個別に仕分けるよりも、“同じ属性だから”という概念のみでの排除が全てになってるな。
筑:行き過ぎた批判は、感情論でしかない。イスラム教徒である事を、黒人である事を、そして他国からの移民である事を理由に“排除せよ”では、単なるわがままでしかない。そして、同じ理由に“アメリカ憎し”や“日本は野蛮”とかを掲げるのであれば、それは発言者自身も同じくらいに野蛮でクズな存在でしかない。そこが、一番大事な部分だ。相手を見下す権利は、たとえどんな理由があったとしても、何人たりとも有してはいけない。しかし、人間はいつでも、その“権利”を振りかざして、自分を正当化しようとする。だが、それこそ一番の間違いであり、そして、自分自身を侮辱してる様なモノだ。
シ:迷馬さんも常々、その事を仰ってますね。自分が持てる知識やデータは、本当に限られた狭い世界観でしかないと。
グ:…そうだな。っと、待たせたな。オマエらの分の雑煮ができたぜ。
シ:いただきまーす。
筑:今日はしばし、故郷の懐かしい香りを堪能しよう。それにしても…鶏肉旨い…